寺山修司著の長編小説『あゝ、荒野』を菅田将暉&ヤン・イクチュン主演で描いたドラマです。
原作は未読ですけど、この2人がどんな演技を見せてくれるのだろうと気になっていました。
予想以上にエネルギーが炸裂していて、圧倒されてしまうような作品でした。
父を亡くし母に捨てられ児童施設で育った沢村新次(菅田将暉)と
母を亡くし暴力的な父のもとで育った二木建二(ヤン・イクチュン)。
二人はふとしたきっかけで堀口(ユースケ・サンタマリア)の経営する小さなボクシングジムに入ります。
憎しみをむき出しにしながら、闘争心を掻き立てて戦う新次は、プロ初戦から相手を圧倒します。
一方、高い身体能力を持ちながらもメンタル的な弱さで相手を上手く殴ることが出来ない建二は
一方的に撃たれてノックダウンとなってしまいます。
それでも、二人は真面目に練習をしながら、勝つことだけを願っていました。
それにしても… 時々、圧倒される映画に出会うことがあります。
それはとてつもない怖さだったり、心を揺さぶるような深い感動だったりと、その作品によって違いますけど、
観終った時、もう何も言えないという感じです。
今回も久々に圧倒されました。
特に菅田将暉さんの存在感はもの凄かったです。
彼の感情を顕わにして憎い相手に向かって叫ぶ姿など、しばらく忘れられません。
よくぞ、R15+でこの役を演じてくれたなあと、それだけでも奇跡のようだと感じました。
前後編合わせて5時間に及ぶ作品の前編(2時間半)でも、長すぎるとは思いませんでした。
観終った時、後編がどんな展開になるのか気になって仕方が無かった1本です。
監督:岸善幸 出演:菅田将暉 ヤン・イクチュン 木下あかり モロ師岡 高橋和也 今野杏南 山田裕貴 河井青葉 でんでん 木村多江 ユースケ・サンタマリア
2017年 日本
(20171020)
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