アバウト・レイ 16歳の決断

思春期を迎えて性同一性障害に悩む主人公と母親、祖母のそれぞれの想いを描いた家族のドラマです。
2年前に公開が延期になっていたのですけど、ようやく公開が決まって楽しみにしていました。
エル・ファニング、ナオミ・ワッツ、スーザン・サランドンのキャラクターがぴったりな作品でした。

幼い頃から自分に違和感を持っていたレイ（エル・ファニング）は、自分の心に合う身体になろうと決心しました。
家族ともどもカウンセリングなどを受け、その決意が固まったのです。
ただし、まだ16歳のため、治療には両親の同意書が必要になります。書類は母の手に委ねられました。

レイを女手一つで育ててきた母マギー（ナオミ・ワッツ）の心境は複雑です。
女性として美しく成長した娘の身体を男性へ変えることに深く悩んでしまいます。
また、自分は女性として、女性をパートナーにしてきた祖母ドリー（スーザン・サランドン）には
孫の心理がどうにも理解できませんでした。

それでも、高校進学を控えて、自分の過去を知られていない学校で新しい生活を迎えたいレイにとっては
ホルモン治療を始めるのは今しかありません。
そして、ついにレイは自分の治療を始めるために行動を起こしました。

それにしても、エル・ファニングは難しい役を演じましたね。
家族の中で悩み、学校でも悩み、ひたすら自身を鍛えて男の子になろうとする役をリアルに演じていました。
彼女の頑張りがあったからこその作品でした。

また、過去の出来事に悩む恋多き母役のナオミ・ワッツも、強い女性をパートナーに持つ
バイタリティのある祖母役のスーザン・サランドンも、本当にぴったりで楽しかったです。
そして、悩みながらもレイの幸せを願う家族の姿にほっとしました。

ラストシーンも素敵でした。
観終ったとき、こういう作品が作れるのもアメリカだからかなとちょっと感じた1本です。



監督：ギャビー・デラル　出演：エル・ファニング　ナオミ・ワッツ　スーザン・サランドン　テイト・ドノヴァン　リンダ・エモンド　サム・トラメル
2015年　アメリカ　原題：3 GENERATIONS/ABOUT RAY
（20180207）

→　公式サイトはこちらへ　http://aboutray16-eiga.com/