悪名高いアメリカの副大統領ディック・チェイニーの半生を描いたドラマです。
クリスチャン・ベールの役作りでアカデミー賞でも話題になっていたので気になっていました。
酒を飲んで暴力沙汰を起こしては大学を退学させられていたディック・チェイニー(クリスチャン・ベール)は、
賢くて美しい恋人のリン(エイミー・アダムス)にその生活ぶりを激怒され、政界を目指し始めます。
その中で下院議員ドナルド・ラムズフェルドと出会った彼は、政治の裏の世界を知ることになりました。
その後、政治の世界と実業家の世界を行き来していたチェイニーは持病の心臓病への不安もあって、
大企業の役員という政界とは距離を置いた静かな生活を送ろうとしていました。
しかし、ジョージ・W・ブッシュ(サム・ロックウェル)が大統領選挙への出馬の参謀を依頼したことから
彼の野望は大きく膨らんでいきました。
それにしても、権力を持つものは何でも出来てしまうのですね。
大きな権力を持つ者が情報を操作し、世論を動かし、都合のよい法律を作って、
自分の利益が得られるような戦争を起こしてしまう。
歴史的な人物でもよく聞くような話です。
そんな流れは遠い過去から現在まで、変わること無く存在するのですね(T_T)
あの9.11の後のイラク戦争もこんなふうに起きたのかと改めて思い知りました。
映画は時にコミカルな軽いテンポを織り交ぜながら進んで行きます。
それはスクリーンの向こうで繰り広げられるお伽噺のようにも感じられます。
でも、現実は本当に目の前にあったのだなと感じました。
流れている情報を精査することや自分で考えることの大切さを考えさせられました。
観終わった時、今の大統領のことはどのように映画に描かれるのだろうなあと想像してしまった1本です。
監督:アダム・マッケイ 出演:クリスチャン・ベール エイミー・アダムス スティーブ・カレル サム・ロックウェル
2018年 アメリカ 原題:VICE
(2019)
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