佐藤(三浦春馬)は街頭アンケートに苦戦していました。
駅前で人通りは多いのに、誰も見向きもしてくれないのです。
振り返ると大きな街頭スクリーンに、ボクシングのヘビー級の試合がライブで映し出されています。
その試合は日本人初のヘビー級チャンピオンへの挑戦戦で、
日本中が挑戦者ウィンストン小野(成田瑛基)を応援していました。
街中の様子とは無縁のようにギターの弾き語りをしているストリートシンガーの歌を
アンケートは半分諦めの気分で聴いていた佐藤は、
同じく立ち止まって聴いている若い女性(多部未華子)に目を留めます。
彼女に親近感を抱いた彼は、シンガーの前から立ち去ろうとしていたところに
アンケートをお願いしました。
すると、彼女は回答をOKしてくれて、佐藤は驚くと共に嬉しい気持ちになります。
彼女の手に「シャンプー」とメモが書かれていることなど、アンケート以外でも会話をしました。
そして、彼女の印象は佐藤の心の中に強く残りました…
それにしても、本当に優しい気持ちになれる群像劇ですね。
そう言えば強烈な悪人が登場することの多い伊坂作品の中で、
この作品は珍しく悪人の出てこない恋愛ものなのです(^^ゞ
登場人物たちはそれぞれ人生へのやるさなさなどを持ちながら日常生活を送っています。
そんな中、人と関わっていきながら、何か大切なものを見つけていました。
登場人物たちが関わり合う中で、彼らの未来は動いていきます。
頼りなかったりいい加減だったりとちょっと心配な点はあっても、根は気のいい人たちばかりなので
ホッとできる展開になっていくのが嬉しいです。
俳優陣も揃っていて良かったです。
主演の三浦春馬さん&多部未華子さんもぴったりでしたし、
妻からは三下り半を下されてしまった原田泰造さん演じる藤間さんが印象的でした。
あと、彼らに大きな影響を与える夫婦役の矢本悠馬さん&森絵梨佳さんもとても良かったです(^^)
キャラクター的には矢本さんの演じた織田一真という男は、結婚する夫としては微妙な感じ
なのですけど、矢本さんが演じたおかげでなんとなく許される男になっていた気がしました(^^ゞ
あと、努力家で責任感の強いウィンストン小野(成田瑛基)がカッコいいです~
映画を観た後、凄く気になって数年前に1度読んだきりだった文庫本を探し出して再読しました。
原作は時間的に入り組んでいたりしますけど、映画はもう少しわかりやすく脚色してありました。
他にもいろいろと違いがあって、上手く映画にしたなあと思いました。
本も映画もそれぞれ楽しめる作品ですね(^^ゞ
監督:今泉力哉 出演:三浦春馬 多部未華子 矢本悠馬 森絵梨佳 恒松祐里 萩原利久 成田瑛基 こだまたいち 貫地谷しほり 原田泰造
2019年 日本
(20190821)
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公式サイトはこちらへ https://gaga.ne.jp/EinekleineNachtmusik/
追伸
この映画は完成披露上映会で観ました。公開は9月13日宮城県先行ロードショー9月20日全国ロードショーの予定です。