『
マローナの素晴らしき旅』
小さな犬の物語を鮮やかな色彩と不思議な造形の世界で描いたアニメーションです。
物語は自動車事故に遭った犬のマローナの生涯をたどるように綴っていきました。
場面は強さを誇る父犬と近所に住む小さくて美しい母犬との出会いから始まります。
間もなく、母犬の魅力に一目ぼれした父犬との間には子犬たちが誕生しました。
マローナの記憶はキュートな母犬のお乳を兄弟たちと飲む幸せなシーンから始まります。
間もなく母親から引き離されたマローナは近所に住む強さを誇る父犬の家に渡されます。
でも、父犬のように強い犬の好きなその飼い主は小さいマローナのことを気に入りませんでした。
その最初の飼い主は、マローナを幸せにすることなく数時間で捨ててしまいます。
マローナはすぐに自分で新しい飼い主を自分で見つけなくてはなりませんでした。
その後も飼い主にはあまり恵まれず、マローナの飼い主は何度も代わっていきます。
そんなマローナの生涯は幸せには見えないかも知れません。
それでも、一生懸命に飼い主たちを愛したマローナは決して不幸ではなかったと感じました。
まるで色彩豊かな絵本を読んでいるような美しい絵と、
自由な発想で描かれた造形で不思議な動きをするキャラクターたちが楽しかったです。
こういうキャラクターたちに出会ったのは初めてかも(^^ゞ
こういう作品を子供の頃に観たら、心が豊かになりそうだなあと感じました。
私も童心に帰って楽しみました(^^)
観終わった時、大きなスクリーンで見ることが出来て良かったなあとニッコリした1本です。
監督:アンカ・ダミアン 声の出演:リジー・ブロシュレ ブルーノ・サロモネ マイラ・シュミット
2019年 ルーマニア/フランス/ベルギー 原題:Marona's Fantastic Tale[L'Extraordinaire voyage de Marona]
(20191101)
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東京国際映画祭のHPはこちらへ https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32WFC11『
アウェイ』
一人の少年の冒険を映像と音楽だけで描いた美しいアニメーションです。
台詞は無いのですけど、その分、不思議な世界に夢中になれるようなワクワクする作品でした。
意識のないままパラシュートで落下してきた少年は、荒野のような人影の無い島に不時着します。
目を覚ました少年はパラシュートを外すと、不毛の地からの脱出を試みようと進み始めます。
でも、彼の後ろには巨大なロボットが追いかけてきていました。
未知の世界へ生きるための道を探す少年と、彼を追いかけてくる強大な力を持つロボット。
もしかしたら、少年は兵士なのかも知れません。
でも、少年の生い立ちも島もロボットも謎のまま、物語はどんどん進んでいきます。
不思議な世界なのに頑張っている少年の姿は力強くて、
思わず応援しながらスクリーンを見つめていました。
監督さんは脚本だけでなくデザインや作画、作曲なども自身で手掛けたそうです。
こんな世界を一人で創り上げるなんてすごいなあと思いました。
後でプログラムを読んだ時、日本のアニメの影響も受けたと書いてあってなるほどと思った1本です。
監督:ギンツ・ジルバロディス
2019年 ラトビア 原題:Away
(20191105)
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東京国際映画祭のHPはこちらへ https://2019.tiff-jp.net/ja/lineup/film/32YTC02