第一次大戦が始まって3年が過ぎた1917年。戦場では長引く戦いにより兵士たちは疲弊していました。
4月6日。前線に配置されている第8連隊の兵士たちが束の間の休息を取っていた時、
トム・ブレイク上等兵(ディーン=チャールズ・チャップマン)が指名で呼ばれました。
誰か1人を選べという指示に、トムは隣で休んでいたジョージ・マッケイ上等兵
(ウィリアム・スコフィールド)に声をかけます。
急げと言われて二人が向かったのは、エリンモア将軍(コリン・ファース)の待つ指令室でした。
エリンモア将軍は二人に、明朝までに第2大隊へ届けなくてはならない伝令を命じます。
最前線でドイツ軍との決戦準備をしている第2大隊は退却したドイツ軍への突撃を計画していましたが、
航空写真の分析からドイツ軍の退却は罠で、行進すると壊滅的な攻撃を受けると判明したのです。
その第2大隊の作戦にはトムの兄も参加していました。
19歳のトムには重い任務ですけど、兄の命を救うためには
絶対に明朝までに伝令を届けなくてはなりません。
血気盛んに急ごうとするトムにジョージは暗くなるまで待とうと声をかけます。
第2大隊への道筋には退却したドイツ軍が仕掛けた罠や残った兵士が待ち受けているはずなのです。
それでも、トムは聞く耳を持ちません。
ため息をついたジョージも、トムと共に命懸けの困難な任務へと向かい始めました。
それにしても、凄い迫力でした!臨場感あふれる映像から最後まで目が離せません。
どんなに頑張り屋の若者でも、2人で戦場を何キロも歩かなくてはならないなんて過酷すぎます。
例え兄を助けるために命懸けで頑張るだろうと考えたとしても、19歳の男の子にそれを課すとは…
その点だけでも戦争というものが異常な現場だということを実感できます。
常識と良識が機能しない世界。運だけが運命を決めているような世界。
そのために命を落とす者もあれば、奇跡に出会う者もあります。
若い二人の運命がそんな世界に翻弄されていく様子は観ていて胸が痛みました。
戦争の残酷さと虚しさに圧倒されるのと同時に、
戦場の中では普通の生活がどれほど尊く感じるかをしみじみと感じました。
平和がどれほど掛け替えのないものなのかを改めて知らされたと思いました。
観終わった時、この物語と感じた想いはずっと忘れないでいなくてはと思った1本です。
監督:サム・メンデス 出演:ジョージ・マッケイ ディーン=チャールズ・チャップマン ベネディクト・カンバーバッチ コリン・ファース マーク・ストロング
2019年 イギリス/アメリカ 原題:1917
(20200219)
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