第1章 空間をつくる
出だしの「青楓瀑布図」(円山応挙)で一気に日本美術の世界へ引き込まれてしまう章です。
こんな素敵な掛け軸や屏風たちが家にあったら、気分だけでも豊かな四季を堪能できるだろうなあと
うっとりしながら観ました。
「武蔵野図屏風」の展示されている脇にすすきが飾られていて、さらに雰囲気が良かったです。
あと、床にも解説図が書いてある「洛中洛外図屏風」の展示が面白い!ずっと観ていたかったです。
第2章 小をめでる雛道具がずらっと並んでいる、とても可愛い章です。
この小さい道具たちを繊細に創り上げた職人さんたちは偉大ですね~
拡大鏡で眺めても、実際の大きさの道具と遜色ない美しさです。
1円玉より小さなお皿たちもありました(^^)
第3章 心でえがく擬人化したネズミなど、美しさとは違った価値観のちょっと可愛い絵で綴られた絵巻たちのコーナーです。
思わずじっくり読んでしまったのは「かるかや」の絵巻です。
身重の妻を捨てて出家してしまう男と家族のその後を描いています。
世の無常を感じて家族を捨てるのも何とも…と思ったのですけど、その後の家族たちの行く末も
本当に切ないなと感じるような展開でした。
シンプル過ぎる絵と共にこんなに深い物語が綴られているなんて、ちょっと凄いなあと思いました。
第4章 景色をさがすここは観る面によって様々な表情を見せる焼き物たちのコーナーです。
温度や圧力のかかり方などで、前と後ろで全く違った印象を与える焼き物が展示されています。
全て円形のガラスケースに入っていて、ぐるっと回りながら観ることが出来ます。
私は焼き物は良く分からないのですけど、そんな私でも楽しかったです。
第5章 和歌でわかる和歌の世界を描いた絵や美術品が展示されているコーナーです。
日本美術は和歌を理解するとさらに面白くなるということを改めて感じました。
(というか、和歌を知らないと日本美術の世界は見えないことが多いですね…)
あと、俵屋宗達が絵を本阿弥光悦が書を担当している作品は、何度見てもカッコいいです。
第6章 風景にはいる風景画の中に小さく描かれている人々は、いったい何を思っているのでしょう?と
あれこれ想像しながら観ていくコーナーです。
ここも楽しくてずっと観ていたかったです。
普段、風景画を観る時は全体を眺めることが多かったので、
豆粒のような人たちのことを想像していくことがこんなにも楽しいことだとは思っていなかったです。
『日本美術の裏の裏』って?と思っていましたけど、予想以上に楽しい美術展でした(^^)
家でじっくりと振り返りたいと思って、思わず図録を購入してしまいました。
図録もしっかりと楽しい展示を再現していて読みごたえがありました~
もうすぐ六本木で東京国際映画祭が始まります。
隙間の時間でもう一度観に行っちゃうかもと思った美術展でした。
(20201025)
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公式サイトはこちらへ https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2020_2/index.html