『モラル・オーダー』1900年代初めにポルトガルの上流階級で話題をさらった事件を、妻を主人公に描いたドラマです。
新聞社を経営する家の令嬢として育ったマリアは現状に絶望していました。
夫はここ数年、愛人たちと逢瀬を楽しんでいましたけど、今回はマリアの友人を愛人にしたのです。
また、息子はマリアのお気に入りのメイドに手を出し妊娠させていました。
そんなある日のこと。病院の慰問で、入院患者の中に自分の家で運転手をしている若者を見つけます。
常識として上流階級の人々は使用人とは関わり合うことはありませんが、
マリアは彼を退院させると医者に往診させながら若者の看病を続けます。
そして二人の心が通い合った時、夫にも息子にも愛想をつかしたマリアは
若者と駆け落ちをしてしまいました。
それにしても、100年前はどんな階級でも女性が自由に生きるのは厳しかったのですね。
駆け落ちをして自由を手に入れたのも束の間、すぐに夫が手配した追っ手に捕まり、
運転手の方は犯罪者として刑務所へ入れられてしまいます。
そして、マリアは彼女の持っている遺産=新聞社の利権を奪うために
夫と手を組んだ医者に精神病院へ入れられてしまいました(T_T)
新聞社は夫の手で売却されてしまいましたけど、救いは何年後かにマリアと運転手の若者が
釈放されたのちは、ずっと一緒に暮らしたということでしょうか。
観終わった時、これが実話だったのかとため息をついた1本です。
監督:マリオ・バローゾ 出演:マリア・デ・メデイロス マルセロ・ウルジェージェ ジョアン・ペドロ・マメーデ
2020年 ポルトガル 原題:Moral Order/Ordem Moral
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東京国際映画祭の公式サイトはこちらへ https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3301TKP22『ラヴ・アフェアズ』偶然に出会った男女のままならない愛の行方を描いたラブストーリーです。
学生時代からずっと忘れられなかった元恋人が親友と付き合うことになってしまった傷心のマクシムは、
一時的に従兄のフランソワの別宅に身を寄せることにします。
そこにはフランソワの婚約者で身重のダフネが居ました。
実はフランソワはダフネと出会った時は既婚者でしたけど、ダフネへの愛のために離婚をしています。
ダフネはフランソワの熱意に押された感じで付き合うようになり、現在は婚約をするまでになりました。
初対面の二人はここに来るまでのそんな状況をお互いに語り合います。
そして、お互いに相手の痛みを理解し合えた二人の心は少しずつ近付いていきました。
それにしても、愛と結婚はタイミングなのだなと感じました。
マクシムとダフネは、もし、もっと早く出会っていたら…と思えてくるようなお似合いの二人なのです。
でも、そもそもダフネがフランソワの婚約者でなかったら、マクシムと出会うことは無かったですしね。
ラストシーンもある意味では幸せな結末なのですけど、ちょっと切なかったです。
観終わった時、それでもみんなそこにある幸せを大切にしてほしいなと感じた1本です。
監督:エマニュエル・ムレ 出演:カメリア・ジョルダナ ニールス・シュネデール エミリー・ドゥケンヌ ヴァンサン・マケーニュ
2020年 フランス 原題:Love Affair(s)/Les choses qu'on dit, les choses qu'on fait
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東京国際映画祭の公式サイトはこちらへ https://2020.tiff-jp.net/ja/lineup/film/3304WFC03