映像がとても綺麗な映画でした!
日本を舞台にしたファンタジーと言われているように
やっぱり所々で文化的な違和感は感じられるけれど、
でも、絵になる映像の美しさに魅せられてしまう作品です。

重病の母を持つ千代は、貧しさから姉と共に人買いへ売られてしまう。
そのまま花街へ着くと、姉とも引き離され置屋へ売られることに。
女郎屋へ売られた姉と落ち合って逃亡しようとするが失敗し
結局、人生の希望も無いまま、小間使いとして扱き使われる日々を送る。
そんなある日、会長さんと呼ばれるやさしい紳士に出会う。
やがて芸者さゆりになる千代にとって
それは唯一の心の支えとなる運命の出会いだった…

さゆりを取り巻く女性たちが、みんなとてもかっこいいです!
それぞれ全く違うキャラクターなのに、どこか魅力的な部分があります。
ミシェル・ヨーやコン・リー、桃井かおり、そして工藤夕貴など
実力のある女優たちが演じているからでしょうか。
芸者たちやそこで生きる女性たちは、みな深い哀しみを持っているが故に
厳しくなったり、意地悪になったり、優しくもなる
ということを実感させてくれました。
そして、彼女たちの存在感があったからこそ
さゆりの境遇がリアルに感じられました。
あと、少女時代を演じた大後寿々花ちゃんがとても良かったです。

とにかく、絵巻のように色彩や陰影が美しくて、うっとりしていました。
外国の人の目から観た日本の美って、こんなふうに映っているのかなあと
ちょっとうれしくなってしまうような
そんな余韻の残る1本でした。


(051213)

追伸
字幕版と吹替版の両方を観ました。
私は吹替版の方が好きでした。
何となく字幕版よりも落ち着いて観られました。
(051225)