生きることの優しさを感じさせてくれるような、ちょっと不思議なファンタジーでした。

ハロルド(ウィル・フェレル)は国税庁に勤める会計監査官。
いつも決まった時間に起床し、決まった行動をし、決まった時間に就寝するような、
まるで腕時計に動かされているような人生を送っている独身男。
仕事は相手に嫌われるような税金取り立てだし、書類に埋もれて退屈な毎日を送っている。
そんな彼に、ある朝突然、女性の声が聞こえてきた。
その声は彼の行動を説明するように、それも彼の語彙を超えた表現力で語っていた。
しかし、その声が彼は死ぬ運命であることを語ったため、不安になった彼は医者へ相談に行く。
医者に文学研究者への相談を勧められた彼は
早速、大学教授(ダスティン・ホフマン)の研究室を訪ねた…

ひとつの小説がひとりの男の運命を変えていくという、ちょっと面白いストーリーでした。
不安は無いけれど満たされるものも無い、ふと気付くと寂しい生活を送っている主人公。
そんな彼が、突然聞こえてきた声をきっかけに、人生の歓びを取り戻そうとします。
その不器用さに、頑張れ~とつい応援したくなってしまいました(^^ゞ

主人公役のウィル・ファレルはどちらかと言うと苦手なタイプのコメディ役者さんなのですけれど、
今回の役は大きな身体を平凡で包んだような地味な男をいい感じに演じていました。
また、そのハロルドと対極のところにいる厭世的な小説家を
エマ・トンプソンが怪演していてかなり可笑しかったです。
あと、久々にたくさん出ているのを見たダスティン・ホフマンもさすがの存在感でした。

試写会場の入り口で頂いたクッキーを大切に食べたくなった1本です。

監督:マーク・フォースター 出演:ウィル・フェレル エマ・トンプソン ダスティン・ホフマン  マギー・ギレンホール
2006年製作 アメリカ 原題:STRANGER THAN FICTION
(070511)