アカデミー賞で助演女優賞を受賞した作品です。
割と面白かったのですけど… なかなか書けなくて、ちょっと寝かせてしまいましたm(__)m

大手企業を扱う法律事務所のフィクサー(もみ消し屋)として
重宝がられているマイケル(ジョージ・クルーニー)。
彼は通常の弁護士業務とは違う役割をしなくてはならない自分の仕事に嫌気がさしているが
弟が作った借金を返すためには仕方ないと諦めている。
今夜も得意先の自動車事故の処理をするために呼び出されたマイケルは
文句ばかり言っている客をなだめて処理方法を伝えた後、自宅に向けて車を走らせていた。
静かな朝靄の中、ふと脇を見ると丘に馬の親子の姿が見えた。
その美しさに心を奪われ、車を降りて近付いていくマイケル。
すると突然、車が爆発した…

見応えのあるサスペンスでした~
爆発が何故起きたのかを追うために、物語は爆発から数日前へと遡ります。
そこで見えてくるのは、得意先の企業を守るために被害者たちの被害を無視する弁護士事務所。
人の命よりも利益を優先させる企業体質。
そんな力関係の間に漂っていた主人公が、段々と事件の奥へと巻き込まれていきます。

実は、登場する人物たちがみんな好きにはなれない人ばかりでした。
皆それぞれがお金や保身など、心の弱さに負けてしまっています。
そして、その弱さが人生の破滅へと導いていくのです。
いつもは強そうなジョージ・クルーニーやティルダ・スウィントンが弱さと闘っている役を上手く演じていました。
そんな彼らの姿はあまりにも痛々しくて寂しく見えました。
 
企業の論理って怖いなあと思いつつ、
冒頭に出てくる馬の親子の美しさが最後まで印象に残った1本です。



監督:トニー・ギルロイ 出演:ジョージ・クルーニー ティルダ・スウィントン トム・ウィルキンソン
2007年 アメリカ 原題:MICHAEL CLAYTON
(20080503)