ダイアナ(エヴァン・レイチェル・ウッド)はハイスクールに通う女の子。
いつも親も学校も勉強も、自分の周りにある全てがつまらないと思っていた。
そして時折、学校に行かなくなる日のことや将来の自分の姿を夢に描いていた。
ある日、親友のモーリーン(エヴァ・アムリ)と授業をサボってトイレでお化粧していると、
教室から銃声と悲鳴が聞こえ始めた。
クラスメイトの一人の少年が無差別に発砲を始めたのだ。
ダイアナたちが動けないまま立ちすくんでいると、犯人の少年が銃を片手に二人の前に現れた。
そして二人に、どちらを撃つか?と選択を迫ってきた…
少女が何を失ったのか。それがいかに大きいものだったかを見せつけられました(T_T)
怖いものなど何も無かったハイスクール時代の17歳。
危なげだけど懸命に生きてキラキラ瞳を輝かせているダイアナがいます。
彼女は不用意に自分を傷つけるような行動を取りながらも、青春を謳歌しています。
親友と無邪気におしゃべりして笑い、傷ついた心に涙しながら日々を送っています。
結婚して夫と娘に囲まれながら暮らしている32歳。
落ち着いて満ち足りている生活だけど、どことなく不安な表情を浮かべている大人のダイアナがいます。
彼女は美術の教師として生徒に教え、夫や娘を愛する生活に満足しています。
でも、夢に描いたような幸せな生活の中でも、ふと恐怖の体験や悲しみが甦って
時々、心が不安定になっています。
それぞれのシーンはわりとランダムに繋がっていますし、シーンによっては何度も登場します。
その不思議な感覚とどことなく感じる違和感、そして美しい花などの印象に残る色彩を感じているうちに
いつの間にかスクリーンに見入っていました。
予告編を観た印象は、親友と2人でいる時に銃を突きつけられたダイアナの言った言葉で
誰かの人生が変わったというものでした。
彼女は何を言ったのだろう、どんなふうに変わったのだろう…と最後まで気になりながら観ていました。
そして、一人の少年によって奪われた命の数と物語の真相がわかった時は、
え、そんな… とつぶやいてしまいました(T_T)
私にはかなりショックで悲しい真相でした。
でも、周りの声を聴いていると、微妙な声もあったような…
作品の捉え方というのは人それぞれかも知れませんけど、特にこの作品は分かり難いところもあって
観た人の感覚にまかせているところが大きい作品かも知れませんね。
観終わった時、良心とか命の輝きとか、さまざまなことが頭を過ぎってぐるぐるしてしまった1本です。
監督:ヴァディム・パールマン 出演:ユマ・サーマン エヴァン・レイチェル・ウッド エヴァ・アムリ
2008年 アメリカ 原題:THE LIFE BEFORE HER EYES
(20090305)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は3月14日以降の予定です。