鎌倉時代の僧、道元禅師の生涯を描いたドラマです。
一人の僧が悟りをひらき、それを広めていく姿は、激動の人生の中にあっても
静かで力強く感じられました。
幼くして母を亡くした道元(中村勘太郎)は、青年になると宋へ渡って修行の旅に出た。
だが高名な僧に会っても、本当の徳を感じられる人物にはなかなか出会えない。
師と仰ぐ僧はいないかと悩んでいたところ、戦いで命を落とした武士の親友とそっくりな僧とすれ違う。
思わず亡き友の名を呼びかけてしまい、僧・寂円(テイ龍進)に詫びると共に悩みを打ち明けた道元は
その僧から如浄禅師を訪ねるようにと言われる。
そして如浄から教えを受けた道元は、修行の末に悟りをひらくことが出来た。
だが、帰国した道元に対して比叡山の僧侶たちは邪教の判断を下した…
僧たちの背筋を伸ばして座禅を組む姿が印象的でした。
13世紀に生きた一人の僧の生涯を描いた作品です。
正直、歴史にも仏教には疎いので、時々話している台詞が理解不能になりました(^_^.)
でも、主人公・道元の威厳のある姿や語りかける言葉に
彼の目指したものは何かを感じることは出来ました。
あるがままに受け止めること。そして、自分の中に仏を見つけること。
そのために座禅を組み瞑想する様子は、やはり説得力がありました。
それにしても、中村勘太郎さんは初めて観たのですけど、さすがの演技力でした~
あと、内田有紀さんは素敵な役者さんになりましたね。
今回はかなりハードな役だったと思うのですけど、
自分の運命を少しずつでも変えていこうとする女性を本当にしっかりと演じていました。
自分とは全く縁の無い、750年という遠い昔に生きた人のことをこんなふうに知ることが出来るのも
映画だからこそだなあとしみじみ思った1本です。
監督:高橋伴明 出演:中村勘太郎 内田有紀 テイ龍進 村上淳 高良健吾
2008年 日本
(20090309)