ベルリンに暮らしている8歳のブルーノ(エイサ・バターフィールド)は
今日も友達と遊びながら、楽しく学校から帰って来た。
自宅の玄関前へ着くと、家の中が何やら忙しそうな雰囲気になっている。
不思議そうな顔をしているブルーノに母(ヴェラ・ファーミガ)は
ナチス将校の父(デヴィッド・シューリス)が昇進したのでパーティを開くのだと嬉しそうに言った。
その夜、客の中に祖父母の姿を見つけたブルーノと
姉グレーテル(アンバー・ビーティー)は二人に駆け寄った。
優しい祖母はブルーノの姿に目を細めて喜ぶが、昇進と引越しの件を聞くと顔をこわばらせる。
大人たちの表情に何かを感じたブルーノだったが、
その違和感は何も分からないまま彼の前を通り過ぎていった…
孤独な少年の無邪気な遊びが引き起こしたのは悲劇の結末でした。
父親の仕事の都合で家族と共に田舎へ引越しをしたブルーノ。
学校へ行けないため一緒に遊んでくれる友達も無く、2階の窓から森の向こうに見えた“農場”には
何故だか両親からは行ってはいけないと言われています。
偶然から“農場”へ道を見つけたブルーノは同い年の少年シュムエルと出会います。
ようやく出来た新しい友達に毎日が楽しくなったブルーノ。
シュムエルも過酷な日々の中に、束の間のほっと出来る時間が出来て嬉しく感じます。
途中、ブルーノの嘘からシュムエルが酷い目に遭ったりもしますけど、二人の友情は続いていきます。
そして、その純真な友情がブルーノの運命を変えて行きました。
それにしても、ブルーノの周りには偽りと欺瞞に満ちた情報で溢れています。
ナチスの思想を厳しく教える家庭教師。
国のためと言いながら収容所の所長という仕事を頑なに実行しようとする父。
そして収容所を農場と勘違いしたブルーノに、そのまま農場と信じ込ませた母。
ある日、父のチームが製作した嘘の収容所PRの映像を信じたブルーノは、
収容所は子供たちが楽しく遊ぶ場で、カフェには美味しい料理があると思い込みます。
シュムエルの立ち振る舞いに違和感は感じても、その“農場”がどんな場所かは
最後まで気付くことが出来ませんでした。
観終わった時、あまりの出来事にさすがに直ぐに口をきく気にはなれませんでした。
でも、こんな悲劇もありえるなあと思うと、戦争が起こした狂気の怖さに圧倒されながらも、
ちゃんと観て良かったと思えた1本です。
監督:マーク・ハーマン 出演:エイサ・バターフィールド ジャック・スキャンロン デヴィッド・シューリス ヴェラ・ファーミガ アンバー・ビーティー ルパート・フレンド
2008年 イギリス/アメリカ 原題:THE BOY IN THE STRIPED PYJAMAS
(20090901)