10代のヴィクトリア(エミリー・ブラント)は籠の鳥のような生活をしていた。
命の危険を回避するため外出は最小限にされ、家の中でも階段は大人に手を引いてもらう日々。
幼くして父を亡くしたヴィクトリアは、王位に一番近い王位継承権を持っていたのだ。
そして現在の王である彼女の叔父にも死期が近付いていた。
父の亡き後、母を支配してきたジョン・コンロイ(マーク・ストロング)は
ヴィクトリアに摂政制を進言していた。
コンロイはヴィクトリアを傀儡にし、実質的に王の権力を自分のものにしようと考えていたのだ。
だが、ヴィクトリアは決して承諾せず、必死に抵抗していた。
そんな最中、彼女は後の夫となるアルバート公(ルパート・フレンド)と出会った…
ひとつの幸せな結婚と愛が豊かな国を作り上げる原動力になっていました(^^)
18歳で即位し、81歳で亡くなるまで女王として君臨したひとりの女性の物語です。
若くして女王となったヴィクトリアは知識も経験もありませんでしたが、
女王としての役目を真摯に受け止めていました。
でも、自分の相談役メルバーン卿を重用するあまりに政情不安を起こしてしまい、国民に嫌われます。
そんな中でヴィクトリアの支えになったのはアルバート公との恋です。
そのピュアな愛は様々な思惑を超えて、強い信頼を築き上げていきます。
そして、アルバート公の真面目で誠実な心と知識は
精神面だけではなく女王としての職務に着くヴィクトリアも助けていきました。
それにしても、幸せな愛の物語でした。
『ブーリン家の姉妹』や『エリザベス』を見て来たので
王家というものは血塗られているというイメージが強かったのですけど、
今作はそんな血を全く感じさせないラブストーリーとなっているのが興味深かったです。
歴史に疎いので、この時代にどんなことがあったのかは分からないのですけど、
どんな出来事が起きようと、アルバート公が病気で亡くなるまでの20年間は
きっと二人三脚で乗り切ったのだろうなあと感じました。
観終わった時、イギリスを平和と繁栄に導いたこの幸せな時代を思うと
邦題の“世紀の愛”はぴったりだな思った1本です。
監督:ジャン=マルク・ヴァレ 出演:エミリー・ブラント ルパート・フレンド ポール・ベタニー ミランダ・リチャードソン マーク・ストロング
2009年 イギリス/アメリカ 原題:THE YOUNG VICTORIA
(20091208)
追伸
この映画は試写会で観ました。公開は12月26日以降の予定です。