ジュリア(メリル・ストリープ)は外交官の夫ポール(スタンリー・トゥッチ)の転勤と共に、
戦争から立ち直って華やかな雰囲気のパリにやって来た。
彼女は食べることが大好きで、パリの豊かな食生活を満喫していた。
だが、フランス語もろくに出来ないジュリアには毎日何をして過ごして良いか分からない。
夫に相談すると、自分の好きなことをやるのが良いと言われた。
外交官夫人用に開かれる習い事をいくつかやってみたが、どうも性に合わなくてつまらない。
食べることが好きな自分だったら、料理を習うのが良いと思いたジュリアは
料理学校の学長の反対を押し切って、プロを養成するクラスへと入学した。
一方、現代を生きるジュリー(エイミー・アダムス)。
彼女は友人たちが成功している反面、自分はライターの夢を諦めて事務職に就いていることに
かなり引け目を感じていた。
そんな彼女は自分を変えるためにブログを始めたいと考える。
題材は1960年代にジュリアが出版したフランス料理のバイブルに載っている500以上のレシピを
1年で全て作り上げるというもの。
早速、張り切って作ろうとするジュリーだったが、
それほど料理上手では無い彼女にとっては前途多難だった…
劇場が明るい笑いで溢れるような作品でした(^^)
食好きから料理研究家となり、家庭で出来るフランス料理の本を出版したジュリア。
ブログを書き始めたくてジュリアの本を手にしたジュリー。
きっかけは全く違うのですけど、料理に人生を救われた二人の女性の物語です。
当時の女性としてはかなり背が高く、晩婚のために子供がいなかったジュリア。
でも、彼女はそんなコンプレックスを感じさせない愛嬌のある朗らかな性格で、
誰にも好かれている女性です。
やがては料理研究家としてテレビにも出演するようになるくらいの人気者になりました。
一方のジュリーは自分の置かれている現状を変えたいと思っている、よくいるタイプの女性で
環境の悪い安アパートや911に関するクレーム処理係という生活に嫌気が差している毎日を送っています。
彼女は物書きになりたいと夢見るも実現することが出来ず、自分をダメな性格だと考えています。
しかも最近は、友人たちの成功に加えて、もうすぐ30歳になってしまうという焦りも感じています。
そこで、手っ取り早く誰でもライターになれる“ブログ”に挑戦してみようと思いつくのです。
その題材にしたのがジュリアが8年かけて作り上げたレシピ集を1年で作り上げるというものでした。
性格もきっかけも全く違う二人が、どんどん料理に夢中になっていく様子は面白かったです。
ただし、ジュリアが心から作ることを楽しんで料理しているのに対し、
シュリーは頑張らなくちゃと、ちょっと義務感で料理している感じです(^^ゞ
もともとジュリアの本は手助けの無い家庭の主婦が一人で作れるようにと書かれた料理本なのですけど、
本当はシュリーがもっと料理をするのが好きな人だったら、観ていて楽しかったろうなあと感じました。
でも反面、それほど料理が得意では無く失敗ばかりのジュリーでも
ちゃんとフランス料理が出来るというジュリアの本の偉大さを実感しました。
そして、ジュリアが料理番組の中で見せる、失敗を気にしないという大らかさに
ジュリーが救われている姿にはとても共感しました(^^ゞ
それにしても、メリル・ストリープは最高ですね~!
朗らかで誰とでもすぐ親しくなれるキャラクターを最高の笑顔で演じていました。
ジュリア・チャイルドという人物は知らなかったのですけど、彼女の料理番組を見てみたくなりました(^^ゞ
また、現代の女性ジュリーを演じたエイミー・アダムスもキュートでした~
本当はジュリーは自分のことに必死で周りが見えなくなってしまう自己中なところがあるのですけど
彼女が演じているとそれも仕方ないかもと思わされてしまいます(笑)
1年間、そんなジュリーを支え続けた彼女の夫は偉かったです(^^ゞ
あと、先日観た『ラブリーボーン』で薄気味悪い犯人役を演じていたスタンリー・トゥッチが
今回は愛妻家でジュリアを支え続ける素晴らしい夫を演じているのも面白かったです。
観終わった時、料理好きな人も料理はそれほどではない人も、一度はジュリアの料理に
チャレンジしてみたくなるかもと感じました。
う~ん、でも、あの量は多いかなあとちょっと考えてしまった1本です(^^ゞ
監督:ノーラ・エフロン 出演:メリル・ストリープ エイミー・アダムス スタンリー・トゥッチ クリス・メッシーナ リンダ・エモンド メアリー・リン・ライスカブ
2009年 アメリカ 原題:JULIE & JULIA
(20091223)