離婚して幼い娘と故郷に戻ってきたなおこ(菅野美穂)は
母(夏木マリ)の営む美容院を手伝いながら日々を過ごしていた。
海辺の小さなこの町には、美容院といえばこの1店だけ。
店にはいつも近所の女性たちが集いながら、楽しそうに男の話で盛り上がっている。
時には顔をしかめることもあるが、大抵は笑い話になるようなおしゃべりばかり。
そして、店の客たちはなおこの顔を見ると、新しい男は?とか良い男を見つけろ等と声をかけてくる。
そんな言葉をなおこは愛想笑いでかわしていたが、実は彼女の心の中には密かな恋が宿っていた…
切なくも愛しい女性たちの姿が印象的でした~
何と言っても登場するキャラクターがいいです~
家を出て別の女性と暮らしたまま帰ってこない夫に腹を立てている母(夏木マリ)。
彼女はそんな中でもいつもの通りさばさばと店を切り盛りしながら日々を過ごしています。
そんな母を演じていた夏木マリさんがとってもかっこ良かったです(^^)
その夫・カズオ(宇崎竜童)は血の繋がっていない娘のなおこが訪ねていくと、
自分は新しい恋人と結婚したいから母に伝言してくれという始末。
でも、笑顔であっけらかんと言うその姿は何故か憎めません。
不思議なキャラクターだなあとちょっと笑ってしまいました(^^ゞ
なおこの幼馴染のみっちゃん(小池栄子)はクラブのママとして働いている人気者ですけど、
浮気三昧の夫にいつも泣かされています。
彼女の夫はヒモ状態。でも、そんな夫でも彼女にとっては大切な恋なのです。
彼女の情熱と恋に賭ける激しさは圧倒的です。
そんなみっちゃんを演じる小池栄子さんのパワフルでキュートな演技も印象的で、
みっちゃんの潔さと恋の行方には、観ている方もスカッとした気持ちにさせられました。
同じく幼馴染のともちゃん(池脇千鶴)は昔から男運が無く、
優しい言葉にほだされて結婚した夫もギャンブル狂でした。
彼女は泣き虫で、恋に真っ直ぐで、いつも笑顔を忘れない女性です。
借金から逃げるように行方不明になってしまった夫を心配しつつも、ちょっと諦めているところがあります。
そんな彼女が最後に見せた芯の強さには、ちょっとビックリ&怖さを感じました(^_^;)
そして、肝心の主人公なおこです。
彼女は恋を諦めているように淡々と日々を過ごしています。
賑やかな人達に比べて、静かな聞き役のようになっています。
周りのキャラクターとは違って地味な印象だなあと思っていたのですけど…
ラストにやられました(T_T)
彼女の恋の行方を観た時、この主人公を菅野美穂さんが演じたのも納得でした。
全体的に哀しい恋ばかりなのですけど、それを感じさせないようなパワーが伝わって来ました。
おしゃべりに忙しい近所のおばさんたちまでもがインパクトを持っていて楽しかったです。
観終った時、この女性たちにはいつか本当の幸せに出会って欲しいなあと願ってしまった1本です。
監督:吉田大八 出演:菅野美穂 夏木マリ 小池栄子 池脇千鶴 江口洋介 宇崎竜童 畠山紬
2010年 日本
(20100513)
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公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は5月22日以降の予定です。