2年前に離婚して幼稚園生の息子を育てている遊佐ひろ子(ともさかりえ)の朝は忙しい。
今朝も目覚まし時計を息子・友也(鈴木福)が止めてしまい、つい寝坊をしてしまった。
慌てて冷凍食品をお弁当箱に詰めて息子を急かすが、友也は遅刻など気にならない。
あちこちを見回しながら歩いていた友也は通りかかったスーパーの前で立ち止まってしまう。
スーパーの前に侍の姿をした男が立っていたのだ。
ビックリ顔の息子の手をスーパーのイベントだねと言いながら急ぐように引いたひろ子。
だが、彼女はその日、再びその男に会うことになるとは思ってもいなかった…
お侍さんは現代に来てもかっこ良かったです(^^ゞ
180年前の江戸時代から来たお侍さんとシングルマザー親子の交流を描いた物語です。
ひろ子は今の生活に忙しさを感じつつも充実感を持っています。
働きたいという志向の強い彼女が離婚した理由も、家事に対する意見の相違がありました。
働いて良いと言いつつも家事は彼女任せで手伝おうとしなかった夫に、
彼女の方から別れてくれと言い出したのです。
でも、子育てという制約に囚われるために残業が出来ないのは辛いところです。
それでも、家へ仕事を持ち帰っては頑張って働いていました。
そんな彼女の前に、行く当てのないお侍・木島安兵衛が現れます。
彼女しか頼る人がいないと辛そうに話す安兵衛を、彼女は見放すことが出来ません。
ついつい家に置いてしまいます。
帰る方法のない安兵衛は彼女の家で家事を学びます。
真面目で実直な安兵衛は、江戸時代の作法のようにしっかりと家事をこなしていきます。
そんな安兵衛に家の仕事を任せたひろ子は生き生きと働くようになります。
息子・友也も安兵衛を慕うようになり、家庭的な幸せを感じるようになってきます。
でも、安兵衛が外で働き始めると、その幸せも危うくなってしまいました(T_T)
それにしても、錦戸亮さんはお侍さんの姿が似合っていました。
彼の侍としての佇まいが映画の全体に広がっていて、
よく考えると変なのですけど妙にしっくりくるところがとても面白かったです。
また、シングルマザー役のともさかりえさんも、それほど片意地を張っているように見せないのに
シングルマザーの大変さを自然に伝えてくれて、さすがに上手い女優さんだなあと感じました。
そして、何と言っても息子役の鈴木福くん!笑顔も泣き顔も本当に可愛いですね~
彼とともさかさんの二人を見ていると、まさに仲の良い親子そのものでした(^^)
登場するお菓子もみんな可愛かったです~
甘いものがあまり得意ではない私でも、ちょっと食べてみたいかもと思ってしまいました(^^ゞ
そんな美味しそうなお菓子と硬派な侍とのコントラストはやっぱり可笑しかったです。
観終った時、働くということの意味はなんだろうなあとちょっと考えてしまった1本です。
監督:中村義洋 出演:錦戸亮 ともさかりえ 鈴木福 今野浩喜 佐藤仁美 堀部圭亮 井上順
2010年 日本
(20100723)
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公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は7月31日以降の予定です。