広島と長崎に原爆が落とされる100年ほど前の江戸時代末期。
明石藩江戸家老・間宮(内野聖陽)が訴状を前に切腹をした。
その命がけの訴状によって明石藩主松平斉韶(稲垣吾郎)の暴虐ぶりが明らかにされたのだが、
将軍にはその家老の訴えの重要性が届くことがなかった。
しかも間も無く、現将軍の弟である斉韶は老中に抜擢されることが決まってしまう。
だが、江戸幕府・老中の土居(平幹二朗)は、ここまま斉韶を老中にしてしまっては危険なことを悟った。
斉韶の残忍さは類を見ないほど酷いものだったのだ。
そして、ついに土居は御目付役・島田新左衛門(役所広司)を呼び出し、彼に特命を与えた。
それは明石藩主である斉韶の暗殺だった…
死に行く侍たちの姿は、覚悟をしていても痛々しかったです(T_T)
ストーリーはシンプルです。
キャラクターの設定は入り組んでいたので、チラシをじっくり読まないと分からなかったのですけど、
要は江戸幕府の偉い人が未来の将軍である明石藩主を暗殺しようとする物語です。
暗殺対象者が藩主ということと、彼を暗殺しようとする実行グループのリーダー島田が
明石藩御用人・鬼頭(市村正親)と互いを認め合う仲だったという点が分かっていれば大丈夫かな感じました。
前半では明石藩主松平斉韶の残虐さが明らかにされます。
事例がいくつもあり… そして、そのひとつひとつがまた酷いのです。
それこそ虫けらのように人が殺されていきます。それも無表情 or 楽しそうに(T_T)
この役を稲垣吾郎さんに振ったのも納得です。
冷静な表情が似合っていましたし、何と言っても自身のキャラクターが確立している人なので
どんな役を演じても大丈夫ですものね(^^ゞ
観る方も、だからこそちょっと安心して観ることが出来るかもと感じました。
それくらい強烈なキャラクターで観たくないシーンの数々でした。
後半のメインは時代劇らしい戦闘シーンです。
実は三池崇史監督作品は「着信アリ」「妖怪大戦争」「ヤッターマン」しか観ていません。
三池監督の作り上げる戦闘の映像はどんなものかなあと思っていました。
予告編でも「斬って斬って斬りまくれ」と言っていましたけど、その通りの凄まじさでした。
隣で観ていた女性が「痛い、痛い…」と呟いていましたけど、本当に痛々しかったです。
どんなに強くて、様々な作戦を立てて迎え撃っても13人対200人以上では厳しすぎます。
ぐちゃぐちゃに入り乱れて、最後には誰が誰か分からなくなるほど血みどろになっていきます。
そして戦い後の惨状のシーンは、その虚しさと哀しさが乾いた視線で映し出されていました。
それにしても、それぞれの役者さんがみんなとっても良かったです。
13人ともぴったりな役を演じていましたし、脇もとても豪華だなあと思いながら観ていました。
特に役所広司さんと市村正親さんの、それぞれの主義に縛られながらも戦っていくシーンなどは
侍として生きることの哀愁を背負っているようで、観ていて切なかったです。
観終った時、本当に体力がいる作品だったなあと感じました。
この作品は、やっぱり戦闘シーンが好きな人が観るのがいいのかなあとちょっと思った1本です。
監督:三池崇史 出演:役所広司 山田孝之 松方弘樹 伊原剛志 伊勢谷友介 市村正親 松本幸四郎 稲垣吾郎 沢村一樹 古田新太 高岡蒼甫 六角精児 石垣佑磨 近藤公園 窪田正孝 内野聖陽
2010年 日本
(20100915)
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公式サイトはこちらへ追伸
この映画は試写会で観ました。公開は9月25日以降の予定です。