1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発の周辺で暮らす人々の姿を捉えたドキュメンタリーです。
2002年にベラルーシを訪れた「チェルノブイリ・ハート」と
2006年にチェルノブイリ原発から3kmの廃墟となった住宅地を訪れた「ホワイトホース」の2本立てで60分。
観る前は短いと思っていたのですけど、観終わった時には長い時間が経ったように感じる
心にずっしりと来る見応えのある作品でした。
「チェルノブイリ・ハート」
ウクライナに隣接するベラルーシにはチェルノブイリ原発30km圏内のホットスポットがあります。
その汚染地帯に暮らす人々の姿や、首都ミンスクの病院などを取材しています。
ホットスポットに暮らす大人たちはカメラに向かって朗らかな顔を見せる一方、
子供たちは明らかに甲状腺や心臓の異常を持つ割合が高いです。
きのこやイチゴなど、野の食物から高い濃度のセシウムが検出されるのです。
その地域の高校生の身体を調べるとセシウムが高い値を示します。
それでも、彼らはその地域から逃れられないのです。
「ホワイトホース」
チェルノブイリ原発から3kmの町に住んでいた青年マキシムが
20年ぶりに自分の暮らしていた家を訪れる作品です。
1つのカメラでずーっとマキシムの背中を追っているだけなので、正直、途中は酔いそうになりましたけど、
(揺れるハンディカメラには乗り物酔いをしてしまうのです(^^ゞ)
映像が終わった後に出たテロップの一行で、一瞬にして酔いが飛びました。
それにしても、「チェルノブイリ・ハート」に映し出されていた子供たちの映像にはショックを受けました。
以前に観た「
花はどこへいった」に次ぐ衝撃度です。
彼らの前ではどんな大人の言い訳や都合も全て吹き飛びます。
あまりの状態に、子供たちが少しでも幸せに生きられるようにと祈りながら観ていました。
そして、せめて日本では同じ状況が起きないことを心から願ってしまった1本です。
監督:マリアン・デレオ
2003年 アメリカ 原題:RNOBYL HEART
(20110827)
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公式サイトはこちらへ http://www.gocinema.jp/c-heart/