切ないこともあるけれど、自分を取り戻した彼らの笑顔にはやっぱり心が温かくなりました。
熱心さのあまり組合の異動を命じられた労働組合員のネッロ(クラウディオ・ビジオ)が
精神病院の元患者たちが集まった組合に入ったことから始まる物語です。
ネッロが行き着いたのは労働組合とは名ばかりの組合。
もともと新法によって病院から出された元入院患者なのですけど、実際は医師の監視下にいて
ほとんど患者と同じ状態です。
でも、社会人としてやることが無いので、彼らを診ている医師が労働組合を作って
役所から回されてくる施しのような仕事を与えているという感じなのです。
そんな中に入ったネッロは、ちょっとしたことがきっかけで彼らの中に芸術的な才能を見つけます。
そして、彼らには封筒の切手張りのような作業ではなく、
本当に自分たちの力を発揮できるような仕事をさせてあげたいと考え始めます。
その1歩として考え付いたのが、木の板で床を張る手仕事です。
やがて彼らの寄木張りの床が人気になり、仕事は順調になって薬も少しずつ減らされていきます。
そんな時、事件が起きてしまいました。
それにしても、それぞれのキャラクターが面白いです~
上手い役者さんが勢揃いで元患者たちを演じているので、彼らを観ているだけでも引き込まれました。
そして、何と言ってもネッロのキャラクターがいいですね~
元患者たちの特徴にあわせて仕事を割り振るのですけど、それが何とも見事なのです。
難しい仲裁に入る時も、双方を立てながら軌道修正していくと言う感じで、
こういう人なら教育者としても上司としても最高だろうなと感じました。
そして、彼がいたからこそ、元患者たちに本当の笑顔を取り戻せたのだろうなと感じました。
観終わった時、日本ではどうなのだろうなとかいろいろなことを考えさせられた1本です。
監督:ジュリオ・マンフレドニア 出演:クラウディオ・ビシオ アニタ・カプリオーリ ジュゼッペ・バッティストン ジョルジョ・コランジェリ アンドレア・ボスカ ジョヴァンニ・カルカーニョ ミケーレ・デ・ヴィルジーリョ カルロ・ジュゼッペ・ガバルディーニ ナターシャ・マクニッツ ダニエラ・ピッペルノ
2008年 イタリア 原題:SI PUO FARE
(20110923)
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