犬村小六著の同名小説を映画化したSFアニメーションです。
先に観た友達がとても綺麗な絵だったと言っていたので、早速チャレンジしてみました。
シンプルな物語の中に、自由を求める真っ直ぐな心と空の美しさを伝えてくれる作品でした。
大きな海を挟んで戦争を続けている“レヴァーム皇国”は敵国“天ツ上”の攻撃に苦しんでいた。
そんな中、デル・モラル公爵の一人娘ファナ(竹富聖花)がレヴァーム皇国のカルロ皇子(小野大輔)と
結婚することに決まった。
皇国の中では僻地にあるサン・マルティリアを統治するテル・モラル公爵にとって、
娘が皇妃になることは最高の栄誉だった。
だが、1年という約束の期日が来ても、カルロ皇子からの迎えは来ない。
戦況が悪化し、とても危険な状態が続いていたのだ。
そして、とうとうサン・マルティリアにも天ツ上の爆撃機が飛来し、デル・モラル公爵が亡くなってしまった…
最後に空の自由の意味が分かった気がしました。
混血のために差別を受けながら育った傭兵の飛空士・狩乃シャルル(神木隆之介)と
彼がカルロ皇子の元へ送り届けることになった次期皇妃ファナとの数日間を描いた作品です。
天ツ上の圧倒的な攻撃力により、壊滅的な被害を被った軍がファナを本国へ送るために取った作戦は
本国の近くまで1機の水上偵察機だけで行き、最後は何とか助かっていた大型機に乗り換えて
華々しく本国へ乗り込むというものでした。
軍の中で一番の腕を誇っていた飛空士の狩乃は、極秘任務として水上偵察機を操縦する任務を受けます。
道のりは海上を3日間。ただし、敵の目が光っていて、実は成功がかなり困難な旅です。
頼りになるのは狩乃の腕だけ。
それでも彼はファナを命がけで守ることを誓い、それを実行します。
でも、何度も敵に襲われるうちに、とうとう機関銃の弾が当たって狩乃が怪我をしてしまいます。
そして、不時着した小島で傷を癒した数日間で、次第に二人は互いに心を開き始めました。
それにしても、ストレートな物語ですね。
展開としては、もう分かってしまうのですけど、物語もキャラクターもあまりにもストレートなので
観ていて清々しい気持ちになりました。
あと、海と空ばかりの世界もきれいでした。
偵察機の空路を計画している中で“だいばくふ”って何だろうと思っていたのですけど、
海を二分する大きな滝の光景が登場して、“大瀑布”だったのだと分かりました。
偵察機が大瀑布を乗り越えるシーンの迫力はドキドキでした(^^ゞ
ラストシーンの美しさは素敵でした。
観終わった時、ああ可愛い物語だったなと思った1本です。
監督:宍戸淳 声の出演:神木隆之介 竹富聖花 富澤たけし 小野大輔
2011年 日本
(20111002)
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