20世紀初頭の中国南部の村を舞台にドニー・イェン&金城武主演で描いたサスペンスです。
この2人がどんな謎を見せてくれるのだろうと気になっていました。
予想以上に不気味な狂気と哀しみに満ちた、観終わった後にいろいろ考えてしまうような作品でした。
歪んだ心は多くの人を傷つけていきました(T_T)
ひとつの事件によって人生が交差した二人の男の物語です。
街へ向かう道の途中にある山間の小さな村で事件が起きました。
街で犯罪を企んでいた脱獄犯2人が村に立ち寄って強盗しようとした時、
偶然に居合わせたリウ・ジンシー(ドニー・イェン)が脱獄犯たちを撃退したのです。
犯人たちは二人とも死亡しましたけど、店や周りに集まっていた村人の目撃により、
ジンシーが必死に防ごうとして起きた死だと了解されていました。
事件現場に来た役人や村人はジンシーの活躍を喜んで称えようとします。
でも、鋭い推理力で何事も見逃さない捜査官シュウ(金城武)は、そんな偶然はないと疑います。
戦いに壊れた店内を見ながら戦いの跡をたどったシュウは、偶然と思われていた出来事が
実はジンシーの高度な身体能力と技術によるものではないかと言う確信を持ちます。
そして、ジンシーの過去を調べ始めたシュウは、彼の本当の正体に近付いて行きました。
それにしても、何だか不気味というか哀しい物語でした。
出だしが本当に平和で美しい村の暮らしを映し出していたので、癒されながら観ていたのですけど、
悪人二人がやってきたことからその平和がゆっくりと壊されていきます。
しかも、捜査官シュウの執念は、彼が過去に負った心の傷から来ています。
人を信じて法よりも情を選んだ1つの事件が悲惨な結果に終わったことが、彼の心を歪めています。
それはジンシーの人生だけではなく、彼自身の人生をも壊していきました。
一筋縄ではいかない物語だけでなく、過去のシーンの悲惨さと戦いのシーンの凄さにも圧倒されました。
観終わった後も何だか心に不安が残ったような気がした1本です。
監督:ピーター・チャン 出演:ドニー・イェン 金城武 タン・ウェイ
2011年 香港/中国 原題:武侠
(20120509)
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