ジェーンが自由を心底から求める気持ちが真っ直ぐに伝わって来ました。
19世紀のイギリス北部を舞台に一人の女性の人生を描いた作品です。
子供の頃に両親と死別したジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)は伯母に引き取られましたけど
伯母にも従兄弟にも虐められて辛い日々を送っていました。
ある日、伯母は反抗的なジェーンを厄介払いするために、とても厳しい教育施設へ入れます。
そこでも躾という名の虐待や、優しくて心の美しい親友を病気で無くすような哀しみを体験しつつも、
ジェーンは何とか耐え忍んで卒業を迎え、教師としてもそこで勤めた後にようやく去ることができました。
ジェーンはソーンフィールド邸に引き取られた幼い姪を教育するために家庭教師として雇われます。
主人のロチェスター(マイケル・ファスベンダー)は不在なことが多く、
使用人をまとめているフェアファックス夫人(ジュディ・デンチ)は親切な女性で、
ジェーンは使用人という立場であっても、これまでにない居心地の良さを感じる日々を過ごせました。
でも、ロチェスターが訪れた時、ジェーンの心の平和は次第に乱されていきました。
それにしても、女性が社会に出ることが出来なかった時代というのは、女性にとっては厳しい時代でしたね。
ジェーン・オースティンの時代よりはだいぶ遅いのですけど、それでも女性はやりたいことを
実行できる状況ではありません。
そんな中で、尊厳と自由を求めてきちんと自分の意見を持っている彼女の生き方には
この時代に生きた女性には衝撃だったのだろうなと感じました。
そして、ジェーンの貫いた意志の先には、彼女が本当に求める愛がありました。
北部の冷たい空気に覆われた美しい自然と、この時代の雰囲気がとても似合うような
ミア・ワシコウスカ&マイケル・ファスベンダーの佇まいがとても素敵でした。
観終った時、彼らと共に遠い時代に旅をしたような気分になった1本です。
監督:キャリー・ジョージ・フクナガ 出演:ミア・ワシコウスカ マイケル・ファスベンダー ジェイミー・ベル ジュディ・デンチ
2011年 イギリス/アメリカ 原題:JANE EYRE
(20120526)
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公式サイトはこちらへ http://janeeyre.gaga.ne.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は6月2日以降の予定です。