こんなに信頼し合える人と出会えたら幸せだろうなあとしみじみ思ってしまいました(^^ゞ
事故で首から下が麻痺してしまった富豪の中年男と、スラム街出身の若者の出会いを描いた物語です。
首から下が麻痺してしまっているために、常に介護人の手が必要なフィリップ(フランソワ・クリュゼ)。
彼は気難しく介護も大変なため、介護人を雇ってもみな1週間しか持ちませんでした。
新たな介護人を見つけるための募集に、一人の黒人の若者が応募して来ました。
他の者が自分のセールスポイントを売り込むのに対して、その若者ドリス(オマール・シー)は
不採用で良いから失業保険を貰えるように、彼が就職活動したという書類にサインをしろと言いました。
不遜な態度とその言い分を面白く思ったフィリップは、サインしておくから明朝に書類を取りに来いと言い、
納得したドリスは家に帰ります。
そして、翌朝ドリスが改めてフィリップの屋敷に来ると、何とドリスは介護人として採用されていました。
それにしても、爽やかな物語でした(^^ゞ
いつも明るさとユーモアを忘れないドリス。
彼は誰に対してもフレンドリーで、時々ちょっと礼儀知らずになるところもあるのですけど、
雇い主のフィリップとの会話にも分け隔てなく、ブラックなユーモアを噛ましてくるところが可笑しいです。
フィリップを身体障害者だからと必要以上に気を使ったり、可哀想とかいう目で見ていないのです。
ある意味、大らかに人を受け入れている態度と、不屈の明るさは、
彼のことを異色だと思っていた人々にも少しずつ伝わっていきます。
そして、彼の笑顔はフィリップをはじめとして屋敷の人々に笑顔をもたらしていきました。
首から下は麻痺していて感覚も無いはずなのに、夜中になると幻覚の痛みに苦しめられるフィリップ。
彼はドリスを受け入れて、ドリスのユーモアに笑顔を見せるようになりますけど、
反面、自分ひとりでは自殺も出来ないと諦めて、深い絶望に囚われながら生きています。
そんなフィリップの苦しみに対して、出来るだけのことをしてその苦しみを和らげようとするドリスの姿に、
彼の強さと優しさを感じました。
また、ドリスの欠点よりも彼の良さを認めて、彼を信頼しようとするフィリップにも、
心の強さと人としての大きさを感じました。
そして、この二人が互いを思い合いながら心を近づけていく様子に、
この二人が出会えて本当に良かった~と嬉しくなりました(^^)
観終った時、フィリップとドリスの笑顔が心に残りました。
これから先、アースウィンド&ファイアーの「SEPTEMBER」を聴いたら
きっと、この二人の笑顔を思い出すだろうなあと思った1本です。
監督:エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ 出演:フランソワ・クリュゼ オマール・シー アンヌ・ル・ニ オドレイ・フルーロ クロティルド・モレ アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ トマ・ソリヴェレ
2011年 フランス 原題:INTOUCHABLES/UNTOUCHABLE
(20120828)
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公式サイトはこちらへ http://saikyo-2.gaga.ne.jp/追伸
この映画は試写会で観ました。公開は9月1日以降の予定です。