彼らのひたむきさには頭が下がりました~
クラシックバレエの登竜門的なコンクールで賞や奨学金を目指す子供たちを追ったドキュメンタリーです。
世界各国で開かれる予選を経て、アメリカで本選が開かれます。
メインに映し出されているのは6名の子供たちです。
アメリカ人でイタリア在中の11歳の少年アラン・ベル。
彼はとにかくバレエが大好きで、彼の生活はバレエ中心に動いています。
父の仕事の関係でナポリに住んでいるため、2時間をかけてローマまで習いに通っています。
彼の部屋には足を矯正する器具や足の筋力をつける道具などがあり、常に訓練という日々です。
筋トレをしている彼の“限界と思ったら、そこから5回やる”という言葉には、すごいと思いました。
アフリカのシエラレオネ出身でアメリカ人の養子となった14歳の少女ミケーラ・デ・プリンス。
彼女は幼い頃に内戦により両親を亡くし、孤児院から現在の両親の元へとやって来ました。
しかも実の両親だけでなく、孤児院も襲われるという悲惨な記憶を持っています。
でも、たまたま孤児院で見かけた雑誌の表紙のバレエダンサーに憧れてバレエを始めました。
育ててくれている今の両親のためにも奨学金が欲しいと思っています。
そして、彼女はいつしか祖国に戻ってバレエを広めたいという夢も持っていました。
南米コロムビア出身のジョアン・セバスチャン・ザモーラはバレリーナを目指していた母の勧めで
幼い頃にバレエを習い始め、14歳でNYへと渡って来た16歳の少年です。
彼は家族の期待を背負ってプロのダンサーを目指しています。
彼の夢は英国ロイヤル・バレエでプリンシパルになることです。
そんな彼の肩には家族の将来がかかっています。
彼も家族のために奨学金を貰わなくてはと必死に頑張っていました。
ミコ・フォーガティとジュールズ・ジャービス・フォーガティは姉弟でバレエを習っています。
強烈なステージママの母の希望で習い始めていますが、12歳の姉ミコはもうバレエに夢中です。
練習のために学校へは行かず、自宅学習で出来る限りの時間を練習に費やしています。
食べ物もカロリーの低いものを選ぶ徹底ぶりです。
でも一方、10歳の弟ジュールズは練習に身が入らず、いつも先生を呆れさせていました(^^ゞ
アメリカ在住のレベッカ・ハウスネットは17歳の学生です。
運動神経が良くブロンド美人の彼女はハイスクールではチアリーダーも経験している人気者。
ピンクに飾り立てた部屋やマイカーを持ち、母からの応援のプレゼントにジュエリーを貰うような生活は
裕福な家庭に育っていることを物語っています。
ただし、どんなに容姿と才能が揃っていても、コンクールの道のりは並大抵ではありません。
彼女もコンクールを目指して必死に練習を重ねていました。
彼らは審査員の評価を勝ち取り、予選から本選へと進んで行きます。
でも、プレッシャーや怪我、そして年々厳しくなっているダンサーの需要減少のために、
希望する道はとても狭いものになっています。
その苦悩する姿には観ている方も胸が痛くなりました。
また、最初の頃は友達にバカにされてもバレエが好きと言っていた少年ジュールズは、
やがてバレエを辞める宣言をします。
他のことに興味が出てきてしまったのです。
いくら母の強い希望でも、息子はいつしか大人になっていくのですよね。
そんな変化はちょっと興味深かったです。
何と言っても、バレリーナを目指すことだけにまい進していく彼らの姿が力強かったです。
容姿も才能も必要ですけど、逆境にも負けない心の強さこそが不可欠なのだなと改めて感じました。
そして、未来へと一歩を踏み出した踊りの美しさに魅せられました。
いつしか彼らが夢を叶える日が来るといいなあと願ってしまった1本です。
監督:ベス・カーグマン 出演者:アラン・ベル ジュールズ・ジャーヴィス・フォーガティ ミケーラ・デ・プリンス レベッカ・ハウスネット ジョアン・セバスチャン・ザモーラ ガヤ・ボマー・イェミニ ミコ・フォーガティ
2011年 アメリカ 原題:FIRST POSITION
(20121227)
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公式サイトはこちらへ http://www.firstposition-movie.com/追伸
2013年も映画を楽しみながら感想を書いていきたいです。
今年もよろしくお願いいたしますm(__)m
そして、みなさま素敵な新年をお迎えくださいね☆