とても美しいドビュッシーの音色が静かに心に残りました。
火事の悲劇から人生が変わってしまった少女の物語です。
幼い頃に両親を亡くしたルシア(相楽樹)は、祖父(ミッキー・カーチス)の居る母の実家で暮らしていました。
従姉妹の遥(橋本愛)とは特に仲良しで、高校生になってからも寝る時は一緒なくらいです。
遥の母(相築あきこ)からもうちの子になりなさいと言ってくれるほど、みんなが彼女を大切にしていました。
そんなある日、祖父とルシア&遥が眠っていた離れが火事で全焼してしまいました。
祖父とルシアは焼死し、遥も大火傷を負いましたが、皮膚の移植と整形の手術により生還します。
そして、辛い入院生活とリハビリを経て、松葉杖をつきながらも自力で歩けるまでになりました。
遥が帰宅して落ち着いた頃、祖父の遺言状が家族を前に公開されました。
祖父の遺産を受け継ぐのは祖父の長男である遥の父・徹也(柳憂怜)、次男の研三(山本剛史)、
遥と祖父の世話をしていた家政婦のみち子(熊谷真実)の4人だけです。
しかも、研三と遥の遺産には条件が付けられ、遥の使用条件はピアニストになるためのみというものでした。
遥は幼い頃からの夢であるピアニストを目指して練習を再開します。
以前の先生には断られましたが、新しく担当してくれた岬先生(清塚信也)もとても優秀なピアニストで
遥は彼の演奏に魅せられます。
そして、先生のように演奏したいと願い、懸命に練習を続けました。
でも、そんな遥の周りで、奇妙な出来事が起き始めました。
それにしても、優しい音色が似合う物語ですね。
哀しみも痛みも包み込んでくれるようなピアノの音色が最後まで心に残りました。
どのような展開になるのか分かっていても泣けてしまったのは、やっぱりこの音楽があったからですね。
ラストの魂を込めた遥の演奏シーンにはとても心が揺さぶられました。
そして、哀しみを乗り越えた彼女の表情に魅せられました。
気軽に観に行ったのですけど、予想以上に胸を打つ作品でした。
観終った時、ドビュッシーを改めて聴いてみたいなあと思った1本です。
監督:利重剛 出演:橋本愛 清塚信也 ミッキー・カーチス 柳憂怜 相築あきこ 山本剛史 相楽樹 熊谷真実 サエキけんぞう
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