9.11から始まる物語です。
9.11に何が起きたのか、様々な電話の音声だけで追っていきます。
もう、この音と声だけで泣けてきます。
そして悲劇の後、10年に渡って行なわれたCIAのビンラディン探しが映し出されていきます。
次のシーンは主人公のマヤ(ジェシカ・チャステイン)がCIAのパキスタン支局へ赴任したところです。
彼女の先輩ダニエル(ジェイソン・クラーク)が情報を持っていそうな捕虜を尋問しています。
いえ、尋問と言うよりは拷問です。
身体的、精神的に徹底して捕虜を追い詰めて、頑なな心を折りながら必要な情報を得るのです。
マヤは辛さを堪えるような表情を隠し、その様子を見守って、得られた情報を分析していきました。
マヤは若くしてその分析能力を認められた天才肌の分析官です。
でも、情報は膨大で多岐に渡っており、その中から真実を見つけるのは至難の業です。
情報は嘘や間違いも多々あり、有力な情報が得られないまま世界はテロの恐怖に何度も陥っていきます。
支局全体に疲れと焦りの色が見えていました。
そんなある日、マヤの無二の親友でもある同僚のジェシカ(ジェニファー・イーリー)が
彼女の使っているスパイから重要な映像を入手します。
そのスパイから証言を得ようと現地のチームと合流してコンタクトを取ろうとしたジェシカは
やって来たスパイの自爆によりチーム共々吹き飛ばされてしまいます。
そして、マヤは彼女のかたきをとるため、ますます調査にのめり込んでいきました。
それにしても、恐ろしい出来事の連続でした(T_T)
それらの出来事が醸し出す緊張感は、出だしから最高潮で、
観ている者は主人公と共に非情な世界に落ちていきます。
そして、その緊張は最後までずっと途切れることはありませんでした。
緊張から解き放たれた主人公のラストの表情が心に残りました。
観終った時、虚しさと哀しみが心の中をずーんと過ぎった1本です。
監督:キャスリン・ビグロー 出演:ジェシカ・チャステイン ジェイソン・クラーク ジョエル・エドガートン ジェニファー・イーリー マーク・ストロング カイル・チャンドラー エドガー・ラミレス ジェームズ・ガンドルフィーニ
2012年 アメリカ 原題:ZERO DARK THIRTY
(20130217)
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