『サイコ』製作の背景を通してヒッチコックの人間像を描いたドラマです。
予告編でアンソニー・ホプキンスが別人になっていたのを観て、これは観なくちゃと思っていました。
あのインパクトのある体型の中に怒りの闇を抱えながらも自分の映画への信念を貫くヒッチコックの姿と
天才で我が侭な彼を影からずっと支え続けた妻の姿に、普遍的な夫婦の絆を感じるような作品でした。
映画製作の舞台裏が面白かったです~
『サイコ』の上映が成功するまでを描いた作品です。
ヒッチコック監督(アンソニー・ホプキンス)は、評判や人気があるのに
何故かアカデミー賞とは縁のない監督です。
自分でもアカデミー賞から下される評価には不満を持っていました。
そんなある日、次作へのひらめきを探していたヒッチコックはロバート・ブロック著の同名小説を見つけます。
これは面白い作品になると確信した彼はパラマウントの社長に報告しますけど、
実際の事件を基にした小説で映倫的にも難しいところがありそうだったため却下されます。
でも、ヒッチコックはこの物語を諦めきれません。
とうとう製作費は自分で調達するから、配給だけパラマウントに任せたいと言い始めます。
そして、妻アルマ(ヘレン・ミレン)に家を抵当に入れると宣言し、製作に取り掛かり始めました。
それにしても、こうして観てみるとこの監督って我がままの甘えん坊ですね(^^ゞ
主演女優との浮名を流したりもしているのに、最終的には妻を心のよりどころにしています。
映画の現場で知り合って結婚し、映画についてはかなり共同制作の部分もあったということも初めて知りました。
天才の後ろにこの妻がいたからこその名作だったのだなと納得でした(^^)
ヒッチコック監督を演じたアンソニー・ホプキンスのなりきりぶりも楽しかったです。
心の闇を演じるのはこの人がぴったりですね。
言動がちょっと怖いなと思うところもありましたけど、あの体型と表情が何とも魅力的でした。
また、時には監督を叱り飛ばすくらい元気な妻アルマを演じたヘレン・ミレンもカッコ良かったです(^^)
観終わった時、怖そうなので未見だった『サイコ』にチャレンジしようかなあとちょっと思った1本です。
監督:サーシャ・ガヴァシ 出演:アンソニー・ホプキンス ヘレン・ミレン スカーレット・ヨハンソン トニ・コレット ダニー・ヒューストン ジェシカ・ビール マイケル・スタールバーグ ジェームズ・ダーシー マイケル・ウィンコット
2012年 アメリカ 原題:HITCHCOCK
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