“天使の分け前”ってそういう意味ですか?とちょっと思ってしまいました(^^ゞ
裁判所のシーンから始まる物語です。
ロビー(ポール・ブラニガン)は暴力行為で逮捕され、裁判にかけられました。
過去にも刑務所に入った経歴のある彼には厳しい意見も出ましたけど、彼の生い立ちへの同情や
恋人に子供が生まれる今なら立ち直れるという弁護士の意見が考慮されて、
社会奉仕活動をすることで罪を許されることになりました。
社会奉仕活動の初日、作業場にいるロビーに恋人レオニー(シヴォーン・ライリー)から
子供が産まれたという連絡が入りました。
でも、現場の指導者のハリー(ジョン・ヘンショー)に付き添われて花を買って病院に着いたロビーは、
病室前の廊下でレオニーの親類の男たちに捕まると、裏の階段へ連れて行かれてしまいます。
止めに入ろうとしたハリーもなすすべはなく、ロビーはボコボコにされてしまいました(T_T)
病院のトイレで血を洗い流しながら次第に激情に駆られていくロビーを、ハリーは必死に止めます。
今度、暴行事件を起こしたら刑務所入りは確実であり、
この病院での行為はレオニーとロビーを引き離そうとする彼らの罠なのです。
我が子と会えないロビーは、自分の息子なのにと泣き出してしまいます。
そんなロビーの状況に心を痛めたハリーは家へ連れて帰り、取って置きのウイスキーを開けて
ロビーの息子の誕生祝いだと言いながら笑顔で乾杯します。
それはロビーが初めて飲むウイスキーでした。
それにしても、相変わらず厳しい現実を描いているケン・ローチ監督ですけど、
今作は何だかちょっと楽しい展開になっていますね。
ハリーの好意でウイスキーの愛好会に連れて行ってもらったロビーは、
そこで繊細なテイスティングの才能を見せるのです。
またそこで、長い時間を蔵の中で寝かされていた幻のウイスキーには高値が付くことも知ります。
そして、社会奉仕活動で知り合った仲間と一緒に、ひとつの計画を実行していきました。
途中は、えっ、それはいいの??とかも思ったりしましたけど、
みんなが幸せになるなら、きっと天使も許してくれるのかなと思ってしまいました。
自分を不幸にする悪い縁を断ち切って家族と幸せになろうと必死に行動するロビーを見たら、
天使も応援してくれますよね(^^ゞ
そう思ってしまうくらい、現実の厳しさとロビーの必死さがひしひしと伝わってきました。
観終った時、きっときっとロビーはいい家庭を作ってくれるだろうなとニッコリした1本です(^^)
監督:ケン・ローチ 出演:ポール・ブラニガン ジョン・ヘンショウ シヴォーン・ライリー ガリー・メイトランド ウィリアム・ルアン ジャスミン・リギンズ ロジャー・アラム チャーリー・マクリーン
2012年 イギリス/フランス/ベルギー/イタリア 原題:THE ANGELS' SHARE
(20130522)
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公式サイトはこちらへ http://tenshi-wakemae.jp/追伸
今作は銀座テアトルシネマで観ました。今月で閉館してしまうのですよね(T_T)
この映画館ではいい映画をたくさん観させていただきました。
最後まで素敵な作品をありがとうございました☆