謎めいた言葉をつぶやく少女の行く末はこれなのですかと考えてしまいました。
少女の誕生日に起きた父の死から始まる物語です。
今日はインディア・ストーカー(ミア・ワシコウスカ)の誕生日です。
毎年、プレゼントは家の敷地内のどこかに隠されていて、今年も彼女はプレゼントを捜しに
庭先を駆け回っていました。
そして、ようやく木の上にあるプレゼントを見つけたインディアは、すぐに箱を開けます。
でも、そこそこの大きさの箱だったのに、中身は空っぽでした。
そんな中、インディアは仲の良かった父の突然の死に見舞われます。
母(ニコール・キッドマン)の隣で埋葬前の牧師の言葉を聞いていると、遠くから彼女の名を呼ぶ声がします。
実は彼女は聴覚も視力も特別に優れていて他の人には聞こえない音も聴こえますが、
父以外の人はそれを知りません。
でも、遠くで彼女につぶやく男は、彼女の能力を知っているようでした。
そして、その男は父の弟で長年行方を知らされていなかったチャールズ(マシュー・グード)でした。
それにしても不気味な雰囲気の物語でした。
やっぱりパク・チャヌク監督は一筋縄では行かないのですね。
美しい少女の成長の物語なのに、死の予感をじわりと漂わせていてとても怖さを感じるのです。
父の死。長年勤めてきた家政婦やチャールズの事情を知っていそうな伯母の失踪。
それらの影に何があるのか、開けてはいけない扉に近付いてしまったら全てが壊れてしまいそうだなと
常に不安を感じさせつつ物語が進んで行きました。
そして、何と言ってもミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、マシュー・グードの3人が良かったです。
いつも憂鬱な表情を浮かべているインディアを演じたミア・ワシコウスカの透明感。
いつも自分を一番に愛して欲しいのに、夫が娘との時間を大切にしたために、
夫と仲が良かった娘の存在を疎ましく感じつつも、
愛せない娘への想いに苦しむ哀れな母を演じたニコール・キッドマンの美しさ。
そして、いつもにこやかな表情を浮かべつつも、何を考えているのかさっぱり見せようとしない
叔父チャーリーを演じたマシュー・グードの不気味さ。
やがて、この3つの存在がついに謎の核心に触れた時、少女は大きな変革をしていきました。
出だしから最後まで、緊張しっぱなしでした^_^;
観終った後、物語の余韻を感じつつも、明るいロビーの現実にほっとした1本です。
監督:パク・チャヌク 出演:ミア・ワシコウスカ ニコール・キッドマン マシュー・グード ダーモット・マローニー ジャッキー・ウィーヴァー フィリス・サマーヴィル
2013年 アメリカ 原題:STOKER
(20130601)
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