この子たちはどんな人生を歩むのだろうと思いながらスクリーンを見つめていました。
3つの物語を描いた作品です。
移動遊園地で危険なバイクショーのスターだったルーク(ライアン・ゴズリング)は突然に仕事を辞めます。
1年前に訪れた地で出会ったロミーナ(エヴァ・メンデス)が自分の子供を産んでいたことを知ったのです。
狂気に取り付かれたようにバイクを乗りこなす根無し草の生活が性に合っていた彼でしたけど
自分の血を受け継いだ息子の存在は、それまでの彼の生活を一変させるものでした。
でも、今のロミーナには別のパートナー、コフィ(マハーシャラ・アリ)がいました。
ルークとは一晩の関係だと割り切っていましたし、コフィは別人の子供を産んだ彼女や
その子供を自分の子供として大切にしてくれる誠実な男です。
でも、自分の息子と会えないという現実を受け入れられないルークは次第に荒れていきます。
そして、金を稼ぐために始めた銀行強盗へのめり込んで行きました(T_T)
それにしても、心が静かになるような物語でした。
息子と出会ったことで人生が変わってしまったライダーのルーク。
ルークと出会ったことで人生が変わってしまった警官のエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)。
そして15年後に人生を交差させる二人の息子たちジェイソン(デイン・デハーン)とAJ(エモリー・コーエン)。
それぞれの運命的な出会いと人生に生きることの重さや難しさをしみじみと感じました。
また、それぞれの物語を演じる主人公たちの演技も印象的でした。
カリスマ性と狂気を併せ持つルークを演じたライアン・ゴズリングの圧倒的な存在感。
自分の犯してしまった罪の意識に苛まれながらも正義の道を歩もうとするエイヴリーを演じた
ブラッドリー・クーパーの悲しみをたたえた笑顔。
そして、それぞれの宿命を知らずに出会ってしまった二人の息子を演じたデイン・デハーンとエモリー・コーエンの
危うさと純粋さを併せ持つ瞳の強さ。
それぞれが強く心に残りました。
観終った時、人生って何だろうなあという想いに囚われてしまった1本です。
監督:デレク・シアンフランス 出演:ライアン・ゴズリング ブラッドリー・クーパー エヴァ・メンデス ベン・メンデルソーン レイ・リオッタ マハーシャラ・アリ デイン・デハーン エモリー・コーエン
2012年 アメリカ 原題:THE PLACE BEYOND THE PINES
(20130719)
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公式サイトはこちらへ http://www.finefilms.co.jp/pines/