“座敷犬”には笑ってしまいました(^^ゞ
一人の女子大生が自分の道を見つけるまでの物語です。
菜都美(北乃きい)は美大に通う女子大生です。
先生に認められず成績は悪くても、自分にはこれしかないといつも熱心に頑張っています。
でも、生活費をアルバイトで稼いでいる身としては、絵の具代にも事欠く始末でした。
そんな菜都美を見かけた知り合いが、彼女にキャバクラのアルバイトを紹介します。
時給が高いというところに惹かれたのですけど、客の対応に慣れずに気苦労をするばかり。
それでも店長や客のセクハラにも耐えて頑張っていたところ、
店で彼女が片思いしていたボーイの良介(池松壮亮)が突然に店を辞めてしまいました。
菜都美をはじめとする多くの女性たちに金を借りたまま行方をくらました彼に、
彼女は悔しい思いを抱えて一晩泣きます。
でも、夜に叩く音でドアを開けると、何故か怪我をした良介が菜都美のアパートに転がり込んで来ます。
そして、そのまま彼は働きに出ることも無く、彼女の部屋に居ついてしまいました^_^;
それにしても、菜都美の苦労は一筋縄では行きませんね。
生活はギリギリで勉強もだめだめで、仕事でも嫌なことが多くて大変です。
しかも、ひも男が転がり込み、猫の病院代までかかってしまいます。
でも、必死に頑張る彼女は何とか金を稼ごうと、自分の絵を生かせる出版社回りを始めます。
その根性には感服しました。
そんな菜都美と良介との日々の生活のシーンは、自然に感じられて楽しかったです。
良介は静かな夜には静かに寄り添い、雨の日には駅前の自転車置き場の自転車に傘を置いてくれて、
どうしても不満が心から溢れてしまった日には優しく抱きしめてくれます。
そんな彼の存在は菜都美の心に安らぎをもたらしますけど、これで良いのかという疑問も感じています。
そして、何とか自分の未来を見つけ始めた彼女は、彼との関係にも一つの答えを出していきました。
ラストシーンの笑顔と言葉が素敵でした。
観終った時、生活するために選んだ道だけど、きっと彼女には天職だったのだろうなと感じた1本です。
監督:森岡利行 出演:北乃きい 池松壮亮 木村文乃 谷花音 黒沢あすか 岸部一徳 瀬戸朝香
2012年 日本
(20130824)
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