ノオミ・ラパスは相変わらず傷だらけでした(T_T)
静かな朝から始まる物語です。
ヴィクター(コリン・ファレル)は街で幅を利かせているギャンググループの一員です。
入ってからの期間は長くないのでボスのアルフォンス(テレンス・ハワード)からの信頼は
それほど厚くは無いですけど、何かあると呼びだされて行動に参加していました。
ある日、ヴィクターが掃除中に向かいのアパートに住む女性がベランダ越しに手を振ってきました。
その女性ベアトリス(ノオミ・ラパス)は交通事故の後遺症に苦しんでおり、
特に顔の左半分に残ってしまったひどい傷に悩まされていました。
ヴィクターも何となく手を振り返しましたが、何故、彼に挨拶をしているのか不明なままです。
その日の夜、ヴィクターがポストを開けると、その女性からの手紙が入っていました。
誘われるまま彼女の家へ行ってぎこちない時間を過ごした後、今度は外へ出かける約束をします。
出かけてもあまり弾まない会話の時間が過ぎて車で家へ帰る途中、
急に彼女がヴィクターにあなたの殺しの現場を見たと言い始めます。
そして、警察へ言われたくないなら、自分をこんな顔にした男を復讐のために殺せと脅し始めました。
それにしても、静かにゆっくりと、でも緊張感のある展開でした。
出だしはヴィクターが何を目的に行動しているのか分かりません。
徐々に明かされていく過去には、家族にまつわる辛くて厳しい事件がありました。
また、その目的が判って来ても、ヴィクターの心情がなかなか明かされません。
この物語の謎は、もしかしたらヴィクターの心なのかも知れないなと思いながら観ていました。
彼の心を解き明かしていくのはベアトリスです。
復讐心に駆り立てられてヴィクターに殺人を依頼するものの、次第にその心は変化していきます。
ヴィクターの哀しい過去を知っていくにつれて、ただの依頼人から恋人未満の関係になっていきます。
そして、復讐が終わったら切れるヴィクターとの繋がりが寂しくなって来たのです。
それはヴィクターの心をも揺るがしていきました。
ラストまで一筋縄ではいかないところが、ちょっと面白かったです。
直前に観た「武士の献立」と同じようなシーンがあって、女性の心は世界共通なのですねと思ってしまいました。
観終わった時、今回のコリン・ファレルはカッコ良かったかもとちょっと思った1本です。
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ 出演:コリン・ファレル ノオミ・ラパス ドミニク・クーパー テレンス・ハワード イザベル・ユペール
2013年 アメリカ 原題:DEAD MAN DOWN
(20131103)
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公式サイトはこちらへ http://deadmandown.jp/