早見和真の原作を石井裕也監督が映画化したある家族のドラマです。
予告編を観て、この家族は一体どうなってしまうのだろうと気になっていました。
さまざまな困難が明らかになっていく中で、それでも懸命に行動する兄弟の姿に
未来への希望を感じられるような作品になっていました。
お兄ちゃんは辛いなあと思いながら、頑張って~と心の中で応援していました(^^ゞ
母・玲子(原田美枝子)の日常から始まる物語です。
東京で友人たちとお茶をした玲子は、電車を乗り継ぎ、長い時間をかけて帰宅しました。
でも、夕食の材料を買っていてもぼんやりとしたまま動きません。
夫・克明(長塚京三)を駅まで迎えに行くのも忘れているありさまでした。
夫はそんな妻の行動を笑っていましたが、とうとう可笑しいと気付き始めました。
長男・浩介(妻夫木聡)の妻が妊娠したのを機にお互いの家族が集まった楽しい席で、
あまりにも食い違った会話をしていたのです。
翌日、病院で検査を受けた結果、玲子の脳に多数の腫瘍が見つかり、既に手の施しようがない状態でした。
動揺しながらも浩介が担当医に余命を聞くと、余命は1週間と言われます。
呆然とした克明は自分では何も決められず、長男を頼るばかりです。
大学生の弟・俊平(池松壮亮)も今どきの若者らしく、気楽な雰囲気のまま下宿先から駆けつけます。
でも、母の居ない家に3人が集まってみると、家のローンや生活費用の借金など、
入院費にも事欠くありさまになっていました(-_-;)
それにしても、お兄ちゃんは大変ですね(-_-)
頼りにならなくて生活費もろくに入れてくれない零細企業の社長である父。
生活費のために多額のカードローンを背負った母。
でも、母は家族の誰にもそのことを相談できません。
家族の、特に子供たちの笑顔を守りたかったからです。
母が病気になって全てが発覚した時、父は呆然として何も出来なくなり、
浩介は何か可能性があるかを考えて悩み、俊平は一人明るさを保ちながら兄と共に動き始めます。
一番いい加減そうだった俊平の行動力と明るさは兄を支えると共に、次第に希望へと変わっていきます。
また、一人で重荷を背負おうとしている浩介に対して、妻は理詰めで責めますけど、
それでも彼の力になろうとします。
最初はどうなるのだろうと思っていたのですけど、バラバラだった家族が少しずつまとまっていく展開には
かなり、ほっとしました(^^ゞ
観終った時、この物語の後、家族の笑顔を取り戻せたかなと思いを巡らせた1本です。
監督:石井裕也 出演:妻夫木聡 原田美枝子 池松壮亮 長塚京三
2014年 日本
(20140525)
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