何で歌うことがこんなに辛そうに見えるのだろうと思ってしまいました(T_T)
伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクの回想録をもとに創り上げられた物語です。
主人公のルーウィン・デイヴィス(オスカー・アイザック)は売れないフォーク歌手です。
過去に2人組で歌っていた時はそこそこヒットも出しましたけど、相棒が居なくなってからは
一部のファンにのみ認められているだけでした。
金も無く、住む所も無くて知人の家を泊まり歩いているような彼は、ただひたすら歌うことを望んでいました。
親しい友人である教授の家へ泊まった翌朝のこと。
家人も居なくなった家を出ようとしたところ、飼い猫がルーウィンと一緒に出てきてしまいます。
慌てて捕まえようとした彼は、猫は捕まえたもののオートロックの家へは入れなくなりました(-_-;)
仕方なく猫を連れて外に出た彼は、いつも居候させてもらっているジーン(キャリー・マリガン)の部屋を訪ねます。
でも、彼女はとても不機嫌な顔をしていました。実は望まない妊娠をしてしまったのです。
ステディのジム(ジャスティン・ティンバーレイク)だったら、そのまま産みたいところでしたけど、
ルーウィンとも一夜を共にしたことがあったために、誰の子供か分からなくなっていました。
彼女の怒りを受け止めたルーウィンは、手術代を工面するために必死に動き始めます。
でも、ステージの評判はあまり芳しくなく、店のオーナーにはフォークだけだと成り立たないと言われてしまいます。
所属するレコード会社で給料を貰おうとしても、レコードが売れないために小額しかもらえません。
仕方なく音楽を諦めて船員になろうとしても会費が未納のために乗ることも出来ません。
そして、とうとう最後の希望をかけて、カナダへ行く男の車に乗り込みました。
それにしても、“不運な星のもとに生まれた”とはこういうことかなと思うような人でした(-_-)
やることはすべて裏目に出てしまいます。
心をこめて歌うことしか出来ず、その歌は聴く人の心を動かすものではありますけど、
店のオーナー曰く“金にならない”歌なのです。
やっぱり売れる歌は、楽しかったり高揚した気分になれるものが基本なのですよね。
でも、主人公は自分の歌を歌い続けます。
それ無しではきっと彼は生きていけないのだろうなと思いながら、その苦悩の道を見つめていました。
歌同様、主人公の人生に遣る瀬無さをしみじみと感じました。
観終わった後、映画館を出た時の空がやけに眩しく感じた1本です。
監督:ジョエル・コーエン イーサン・コーエン 出演:オスカー・アイザック キャリー・マリガン ジョン・グッドマン ギャレット・ヘドランド F・マーレイ・エイブラハム ジャスティン・ティンバーレイク スターク・サンズ アダム・ドライバー
2013年 アメリカ 原題:Inside Llewyn Davis
(20140614)
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