「
草原の実験」
半乾燥の草原で静かに暮らしている父と娘の姿を、娘の視点から描いた物語です。
父は無邪気で何をしているのかちょっと不思議な人で、一人娘の少女はそんな父を温かく見守っています。
言葉は無いのに愛情に溢れている二人の表情が何とも可愛かったです。
しかも少女は見た目も可愛くて、近所の青年や通りすがりの異邦人にも恋されてしまいます。
そんな親子や青春らしい愛情の姿が、美しい大自然と共に映し出されていて魅せられました。
ただ、次第に微妙な展開になっていって、最後には呆然としてしまいました。
台詞が無くてシンプルな絵本のような可愛さ。
風景も大きなスクリーンで観られて良かったと思うほどの美しさ。
なのに、なんでこんな展開になってしまうのだろう… 人間って恐ろしいです~
監督:アレクサンドル・コット 出演:エレーナ・アン ダニーラ・ラッソマーヒン カリーム・パカチャコーフ ナリンマン・ベクブラートフーアレシェフ
2014年 ロシア 原題:TEST
(20141028)
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東京国際映画祭のサイトはこちらへ http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=29「
壊れた心」
フィリピンのスラム街を舞台に冷酷な殺し屋と娼婦の逃避行を描いた作品です。
浅野忠信さんが「ルパン三世」のプレミア上映の時に、フィリピンで過酷な映画を撮った後だったと
舞台挨拶で言っていたので、もしかしてこの作品かなあと気になっていました。
うわーこれは大変だったろうなあと感じるような世界がスクリーンに広がっていました~
殺し屋(浅野忠信)と娼婦(ナタリア・アセベド)に何が起きたのかを映像と音楽で描いていました。
タトゥだらけの遺体が車道脇に横たわっているのに、車はどんどん通り過ぎていくシーンから始まります。
時は変わって、何のためらいも無く人を殺せる殺し屋が娼婦を助けるためにその時の相手を殺します。
でも、そこから逆に狙われる羽目になり、追っ手が迫ってきます。
やがて、無邪気な笑顔を救うために娼婦を連れて逃げる殺し屋にも、やがて追っ手が追いついてきました。
そんな物語を通常の撮影だけでなく、殺し屋の持っているハンディカメラの映像など
色々な視点を駆使して物語を進めています。
そして、途切れることの無い様々な音楽で物語を語っていきます。
その目まぐるしく動いていく映像と音楽に、観ている方のエネルギーも吸い取られてしまうようでした^_^;
短めの作品でしたけど、重力は凄かったです~
監督:ケヴィン 出演:浅野忠信 ナタリア・アセベド エレナ・カザン アンドレ・プエルトラノ ケヴィン ヴィム・ナデラ
2014年 フィリピン/ドイツ 原題:RUINED HEART
(20141028)
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東京国際映画祭のサイトはこちらへ http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=27追伸
この2作品は東京国際映画祭2014で観ました。公開予定は未定です。