遺体の入った棺が簡単に運ばれていく現実が哀しかったです(T_T)
結婚式を控えて親戚一同が集まったシーンから始まる物語です。
笑顔で集まる人々の中に新郎新婦も入り、今にも結婚式が行われようとしていました。
でも、その場にいた老人の一人に、兵役に出ていた孫が亡くなったという連絡が届きます。
結婚式は中止になってしまいました(T_T)
いつも老人の世話をしている若者が運ばれて来た遺体を検分すると、
イスラム教徒としてはおかしな点が見つかります。
早速、彼は老人を呼んで確認しようとしますけど、老人には分かりません。
また、老人の息子である孫の親も同じように戦死しており、もう確かめられる人もいません。
老人は、もしかして異教徒の遺体が間違って運ばれてきたのではないかと考えます。
そして、村に住む異教徒で息子が戦地にいる近所の家へ相談に行きました。
それにしても、若者が亡くなっていくという状況が恒常的になるなんて怖いですね。
老人たちは息子や孫を次々と失っています。
深い悲しみに見舞われているのですけど、神の御心と思うことで気持ちを落ち着かせています。
だからこそ、彼らにとって自分たちの宗教にそった埋葬をすることはとても大切なことです。
遺体の配達違いはそんな心理の中で、村を二分するような騒動となっていきました。
あと、基地に送られてくる遺体の数にはうわーっと思ってしまいました。
毎日、100体もの遺体が届き、ひたすら棺を作ってつめて配達するのです。
その現状と軍人の態度に、間違いを文句に来た老人たちも圧倒されます。
基地は、まるで宅配の配送所のようでした(T_T)
ラストはほっと出来る展開でちょっと良かったと思いました。
観終った時、こんなめちゃくちゃな世界がまだ続いてしまうのですか?と感じた1本です。
監督:シャフワーン・イドレス 出演:ナーセル・ハサン アンワル・シャハーニ ゴーバル・アンワル タハセン・ボルボル ヒーロー・ハサン・ザーダ タハ・アガージャーン
2014年 クルディスタン、イラク 原題:The Face of the Ash
(20141025)
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東京国際映画祭のサイトはこちらへ http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=113追伸
この映画は東京国際映画祭で観ました。公開予定は未定です。
追伸2
上映の前に、本当は監督さんも映画祭へ来たかったのですけど、
この世界情勢の中で、イラクで日本のビザを取るのが難しく、来日を断念したと言う説明がありました。
監督さんのお手紙に、イラク国内ではテロに怯え、国外ではテロリストと恐れられる現状を
深く哀しむ言葉がありました。
せめて、映画祭くらいには誰もが参加できるような世界になって欲しいなと願ってしまいました。