辛い道だなあと思ってしまいました(-_-)
科学者の夫と中学生の長女、小学生の次女という家族を持つ報道カメラマンの女性の物語です。
中東での取材中にある事件に巻き込まれたレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は重傷を負って意識を失います。
担ぎ込まれたドバイの病院には、イングランドから駆けつけた
夫マーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)の姿がありました。
マーカスに感謝しながら帰宅の途についた彼女は、夫の様子がおかしいのに気づきます。
彼も何かを言いたそうにしているのですけど、言い出せないようです。
海と緑に囲まれた美しい風景を眺めながら家へ着いたレベッカは無邪気な次女の歓迎を受けます。
でも、長女ステフ(ローリン・キャニー)もどこかよそよそしい態度で迎えました。
そして、食事をしてその日を終えようとしたレベッカが夫に何があるのかと問い詰めると
逆に、いつも妻や母の死に怯えながら帰りを待つ家族の辛さが解るかと言われてしまいました(T_T)
それにしても、スクリーンに映し出された中東やアフリカでの状況は厳しかったです。
あまりにも酷いので、抑止力としての写真の力の大切さを実感しました。
ジェシカは写真で真実を伝えることに、人生の使命を感じています。
そのために、彼女は危険な場所へ自ら進んで乗り込んでいくのです。
そんなレベッカの撮った写真は、国連を動かすほどの力となっていきました。
でも、彼女がどれほど凄いことをして世間が称えても、彼女を妻や母とする家族にとっては
死をも恐れないような彼女の行動は恐怖でしかありません。
待つことの辛さを夫に訴えられたレベッカは、同じく暗い顔をしている長女ステフの様子をみて
自分がどれだけの負担を家族にかけてきたかを悟ります。
でも、一度はカメラマンを辞めると宣言した彼女は、ある出来事から再び危険な出来事に遭遇してしまいました(T_T)
そんな主人公レベッカを演じるジュリエット・ビノシュのパワーが凄かったです。
アフリカの難民キャンプでの出来事の中で、逃げてくる集団に正面からカメラを向けた主人公が
人とぶつかって倒れるシーンがあります。
これは実際に起きたアクシデントだったらしいです。
でも、彼女はそのまま演技を続け、このカットが映画に使われました。
他人が観ていても、あっと思うような出来事だったので、これが現実だったら
家族としては辛いなあと改めてしみじみと感じてしまいました。
ラストシーンまでとてもショックで考えさせられる作品でした。
観終った時、しばらくは言葉にならなかったくらい色々な想いが過ぎった1本です。
監督:エリック・ポッペ 出演:ジュリエット・ビノシュ ニコライ・コスター=ワルドー ローリン・キャニー マリア・ドイル・ケネディ ラリー・マレン・ジュニア
2013年 ノルウェー/アイルランド/スウェーデン 原題:A THOUSAND TIMES GOOD NIGHT
(20150109)
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公式サイトはこちらへ http://oyasumi-movie.jp/