精神的にお金がダメになった主人公を描いた松尾スズキ監督&脚本のコメディです。
予告編を観ただけで笑ってしまったので、本編を観るのも楽しみにしていました。
期待通りの面白さと予想以上のドロドロさに、どんどん引き込まれてしまいました(^^ゞ
本当に“さらば”でした~
かむろば村行きのバス亭の前では大荷物を抱えたひとりの若者(松田龍平)が戸惑っていました。
バスに乗るには村にある店へ電話することになっているのです。
立ち尽くしている若者にベンチに座っていたやくざが絡んで来ました。
さらにどうしたらいいか判らなくなってきたところに、一台のマイクロバスが停まると
運転手が彼に向かって「高見さんですか?」と声をかけてきました。
運転手をしていた天野(阿部サダヲ)はかむろば村の村長でした。
病院も警察も郵便局も無い小さな限界集落寸前のかむろば村では、老人たちを町へ送るために
村長がマイクロバスを運転しているのです。
高見はその状況にやっぱり戸惑いながらも、バスへ乗って大荷物と一緒に村へと向かっていきました。
それにしても、お金を見ただけでめまいを起こして倒れてしまうなんて本当に大変です~
ただし、田舎に引越せばお金を使わずに生きていけるなんて甘いですよね(^^ゞ
初日から寒さに負けてしまうなんて… ヒートテックには思わず笑ってしまいました。
それでも、村長の天野をはじめとする村人たちは何かと気にしてくれて彼を助けてくれるし、
神さまと呼ばれている“なかぬっさん”(西田敏行)も良いところで手を出してくれるし、
彼は彼のテンポで村へ溶け込んでいきます。
そこはちょっと羨ましかったです。
でも、ちょっと変だけどほのぼのしていた前半とは違って、後半に松尾監督演じる謎の男が登場してからは、
すっかり痛みと怖さを感じる怒とうの展開になっていきます。
今の天野村長のキャラクターがどうして出来上がったのかが解ってくると、
この物語って奥が深いなあと思ってしまいました。
そして、こんなめちゃくちゃな展開なのにちゃんと終われるのかなと心配になってしまいました^_^;
このところ、お金が動くことの重さと怖さを感じていたので、主人公の気持ちがちょっと解る気がしました。
そんな疲れた時に観ていても、観終った時、結構笑ったなあとニッコリした1本です。
監督:松尾スズキ 出演:松田龍平 阿部サダヲ 松たか子 二階堂ふみ 片桐はいり 中村優子 村杉蝉之介 荒川良々 西田敏行
2015年 日本
(20150419)
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