ラストの9分19秒はドラムのリズムの波に飲み込まれました~
音楽学校に入学した19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)はジャズを聴いて育ったドラム奏者。
不器用で友達の少ない彼は、教室でのバンド練習では先輩の楽譜をめくり、
夜は一人ドラムの練習に没頭する日々を過ごしていました。
ある日、彼の練習中に学校で一番の実力を誇る指導者フレッチャー(J・K・シモンズ)が入って来ました。
その出会いがきっかけとなり、アンドリューはフレッチャーの誇るバンドへと呼ばれることになります。
でも、それはアンドリューにとっては地獄の日々の始まりでした(T_T)
それにしても、J・K・シモンズの存在感は凄いですね~ まさに鬼軍曹です。
彼が登場しただけで、スクリーンから緊張感が伝わってきます。
そして、その緊張感が最高潮になるラスト9分間は本当に凄かったです。
アンドリューの人生を賭けたドラムの音は全てを圧倒します。
しかも、音だけでなく、全身全霊でフレッチャーと対決しているのです。
その音に包まれた時、才能ある音というものは聴く人を納得させるものだと改めて感じました。
誰をも惹き付けて酔わせる音。その快感は聴いた人の記憶に残って忘れられないものになります。
だから、素晴らしい音楽は人々に愛されていくのですね。
ただし、フレッチャーはともかくアンドリューもちょっと性格が歪んでいますよね^_^;
アンドリューはとにかく自分の音と意見を通そうとしますし、
フレッチャーはとにかく厳しいしごきを生徒に科していきます。
それは真面目さからの行為かもしれませんけど、他人を傷付けていきます。
他人を傷付ければ、それは自分に跳ね返ってくるものです。
そのことに気付いていない人は始末が悪いし、それに加えてフレッチャーは性格が悪過ぎです。
でも、そんな最悪なフレッチャーを納得させたアンドリューの根性と音には観ている私もやられました~
そして、芸術の高みを目指す狂気がじわっと伝わって来ました。
観終った時、ほっとしたと同時に、やっぱりスクリーンで観て良かったと感じた1本です。
監督:デイミアン・チャゼル 出演:マイルズ・テラー J・K・シモンズ メリッサ・ブノワ ポール・ライザー オースティン・ストウェル ネイト・ラング
2014年 アメリカ 原題:WHIPLASH
(20150611)
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