偏屈な中年ヴィンセントと純真な小学生オリバーとの心の交流を描いたハートフルなドラマです。
予告編を観て、ビル・マーレイが相変わらず味のある演技を見せているなあと気になっていました。
少年が解き明かした偏屈ヴィンセントは、誰もが心を揺さぶられるような人生を歩んでいました。
愛を知る人は偏屈でもやっぱり悪い人ではありませんでした(^^ゞ
一人暮らしのヴィンセント(ビル・マーレイ)は今日もアルコールと共に自堕落な時間を過ごしていました。
ある日、そんな彼の隣に離婚してシングルマザーとなったマギー(メリッサ・マッカーシー)と
12歳の息子オリバー(ジェイデン・リーベラー)が引越して来ました。
出会いは挨拶程度でしたけど、引越業者がヴィンセントの家の木を傷付けたこともあり、
お互いの第一印象は最悪でした。
翌日、オリバーが転向先の学校へ行くと、いかにも弱そうな彼は早速いじめの対象になってしまいます。
体育の授業中にロッカーの中身を盗まれてしまったオリバーは、財布も携帯電話も家の鍵も失います。
仕方なく徒歩で帰宅した彼は、隣人のヴィンセントに声を掛けます。
事情を聞いたヴィンセントは仕方なくオリバーを家へ入れました。
それにしても、優しい物語ですね。
いじめられっ子のオリバーにも、オリバーを連れて夫から逃げてきた母親のマギーにも、
そして誰からも嫌われていると思われているヴィンセントにも転機が訪れます。
彼らは気が合わないと思っていた人と互いに理解し合い、友情や愛情そして尊敬を深めていくのです。
特に、ヴィンセントの人生が解き明かされるシーンにはほろりとさせられました。
そして、どんなにぶっきらぼうに見えても、常に愛情と共に生きていた人だったのねと納得でした。
原題を見て、改めて全てを物語っているなあと感じました。
観終った時、やっぱりビル・マーレイの存在感って凄いなあ、監督さんが長い時間がかかっても
口説き落としたかったのも解るなあと感じた1本です。
監督:セオドア・メルフィ 出演:ビル・マーレイ ジェイデン・リーベラー メリッサ・マッカーシー ナオミ・ワッツ クリス・オダウド テレンス・ハワード
2015年 アメリカ 原題:St. VINCENT
(20150909)
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公式サイトはこちらへ http://www.vincent.jp/