あまりにも命を失う動物の多さと、犬を残酷に扱う人の無神経さがとてもショックでした(T_T)
テレビディレクターの久野かなみ(小林聡美)はゴールデンレトリーバーのナツを病気で亡くし
その喪失感に途方に暮れていました。
入院している大先輩の映画監督にこれからどうすると問われ、イギリスへ行って犬の勉強でもと答えた久野は
監督から時間を無駄にしないで映画を撮りなさいと励まされます。
何を撮ろうかと考えた久野は、これまで足を向けることを避けていた動物愛護センターへ
カメラと共に向かうことにしました。
センターに集まってくる動物たちの事情は様々です。
でも、多くの動物たちは人に慣れていて、かつては人に飼われていたことが分かります。
特に飼えなくなった、飽きて飼いたくなくなったという理由で捨てられた犬たちがあまりにも多いのです。
久野のカメラはそんな犬たちが怯えながら部屋へ移されていく様子を映し出していました。
それにしても、予想以上に胸に響く作品でした。
犬や猫の辛い現状と共に、動物たちを救おうと活動している人たちも映し出されています。
関東を中心に活動している「ちばわん」の人たちは、センターに収容されている動物を
1匹でも多く助けようとセンターへ通います。
また、広島に本拠地を置く「犬猫みなしご救援隊」は広島の動物たちだけでなく、
震災に遭った福島の動物たちも集め、ものすごい数の動物たちを救っていました。
一方で動物たちに惨い仕打ちをする人間も後を絶ちません。
特に酷いと感じたのはペットショップへ売るため悪質ブリーダーに飼育されていた犬たちです。
彼らに子犬製造機にされてしまった姿はあまりにも痛々しかったです。
身体がボロボロになり、心を閉ざしてしまった犬たちの姿には言葉もありませんでした(T_T)
それでも、救おうとする人々の力で殺処分される動物たちが減少されていると聞いて少しほっとしました。
そして、これから生き物を飼おうと考える人たちは、少しでも小さな命への責任を感じながら
最後まで一緒に生きていく未来を考えて欲しいと願っていました。
センターから引き取られた犬と出会った主人公が優しい顔で名前をつけた犬と一緒に散歩する姿を見ながら
どんな生き物たちも飼い主に愛されながら命を全うして欲しいなあと思った1本です。
監督:山田あかね 出演:小林聡美 上川隆也 渋谷昶子 ちばわんのみなさん 犬猫みなしご救援隊のみなさん
2015年 日本
(20151104)
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