こんな大きな家に住んでみたくは無いけど、素敵なお庭は観てみたくなりました(^^ゞ
主人公ヤーコブ(イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ)の母の死から始まる物語です。
病床の母が静かに亡くなってお葬式が終わると、一人息子のヤーコブは死に行く場所を探し始めました。
何の感情も持てないまま人生を過ごしてきた彼は、ずっと死を望んでいたのです。
でも、広い庭もたくさんの車が置いてあるガレージも使用人たちの目があって実行に移せませんでした。
とうとうヤーコブは家の外で行う決心をし、想い出の写真にも写っていた崖までドライブすることにしました。
崖に到着し、排気ガスのホースを車の中に引き込んで準備を終えた時、近くに車が止まります。
運転してきた男は車椅子を出すと、年老いた男性を車椅子へ乗せて崖の方へと向かいました。
でも、男が引き返してきた時、車椅子はカラになっていました。
思わず車を飛び出して崖を確認したヤーコブは、広告のマッチが落ちていることに気付きます。
そのマッチにはある裏稼業を行っている葬儀屋が載っていました。
それにしても、キュートな物語ですね。
まあ、展開は想像付くのですけど、主人公のヤーコブや
彼が出会う恋の相手アンネ(ジョルジナ・フェルバーン)が何とも可愛らしいというか純情なのです。
子供の頃に起きたある出来事から感情を失った主人公は、愛する母の死にも感情が表れません。
ただし、他人には誤解されやすいところもあるのですけど、彼を良く知る人には
真面目で礼儀正しくて親切で信頼できる人だと思われています。
だからこそ、あんまり愛想は無くても愛すべき人なのですよね。
ヤーコブは自分の死の演出を依頼した後に、初めて感情が沸き起こるような運命の恋に出会います。
そして、相手のアンネにとっても彼は人生を変えてしまうくらいの恋の相手になっていきます。
そんな二人のやりとりは、初々しさも感じるような恋を見せてくれました(^^ゞ
たまにはヨーロッパで創られたこういう小さな作品が劇場で観られるのもいいなあと思いました。
観終った時、何だか心がほっとしたような気がした1本です。
監督:マイク・ファン・ディム 出演:イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ ジョルジナ・フェルバーン ヤン・デクレール ヘンリー・グッドマン
2015年 オランダ 原題:DE SURPRISE/THE SURPRISE
(20160615)
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公式サイトはこちらへ http://sutekinasurprise.jp/