名作童話の原形となったヨーロッパ初の本格的な民話集『ペンタメローネ』を映像化した作品です。
予告編を観て、美しい色彩に彩られた映像と妖しい雰囲気に惹かれて気になっていました。
古い民話らしい毒々しさに圧倒されながら、不思議に満ちた時間を過ごしていました。
3つのどの物語も不気味で怖かったです~
ロングトレリス国で子供が欲しいと切望していた王妃(サルマ・ハエック)。
ハイヒルズ国のお城で若くて素敵な男性との結婚を夢見ていたティーンエイジャーの王女(ベベ・ケイブ)。
ストロンググリフ国の好色な王(ヴァンサン・カッセル)に声だけで見初められてしまった姉妹の老婆たち。
この3つの物語が織り成す作品です。
ストーリーはすぐにネタバレしそうなのであまり書けません^_^;
ロングトレリス国の王妃は多大な犠牲を払って子供を授かりますけど、その後も心を完全に満たすことが出来ません。
そんな彼女の欲望の代償はとても大きなものでした。
ストロンググリフ国の王に言い寄られ始めた老婆のうち姉は王を騙して寵愛を得ようとします。
でも、当然すぐにバレて城から追い出されてしまいます。
森に捨てられて泣いていた姉に、とても不思議な奇跡が起きましたが、彼女の幸せは長くは続きませんでした。
ハイヒルズ国の王(トビー・ジョーンズ)は、ある日、不思議な虫に魅せられてしまいました。
ある日、大切に自室で飼っていたその生き物が息を引き取った時、
王は気晴らしにとんでもないことを企画します。
その虫の皮を見て正解を答えた男に、娘と結婚させると宣言したのです。
そして、正解を答えたのは粗暴で良識の無い鬼のような男でした。
それにしても、美しくて残酷な物語ばかりですね。
毒気でいっぱいと言うか、17世紀初め頃の民話&童話はかなりハードです。
でも、映像が美しくて印象的なシーンも多いので、残酷なのに魅せられてしまいました。
他人を犠牲にしても欲望に忠実であるような生き方をした人々は、その場では幸せだと思っていても
やがては不幸な運が巡ってくるような気がします。
観終った時、誰かの不幸の上に築かれた幸せは壊れる運命なのねと改めて思った1本です。
監督:マッテオ・ガローネ 出演:サルマ・ハエック ヴァンサン・カッセル トビー・ジョーンズ ジョン・C・ライリー シャーリー・ヘンダーソン ヘイリー・カーミッシェル ステイシー・マーティン
2015年 イタリア/フランス 原題:TALE OF TALES/IL RACCONTO DEI RACCONTI
(20161201)
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