ふくだももこ監督が自身の手掛けたオリジナルの短編映画「父の結婚」を原作に
新たに長編作品として創り上げた家族のドラマです。
短編の方は未見ですけど、久々に故郷に帰ったら父が母になっていた？というシチュエーションが
面白そうだなあと気になっていました。
なんだか大らかで優しい気持ちになれる、ちょっと不思議な雰囲気の作品でした。
東京で働いている橙花（松本穂香）は仕事もプライベートも絶不調です。
特に結婚生活は3年目にして破局をむかえ、今は離婚に向けて別居中の状況でした。
そんな中、橙花は母の三回忌で久々に島へ帰郷します。
彼女のブルーな気持ちとは真逆に明るく迎えれた弟・翠（笠松将）が運転する車で実家に帰った
橙花が見たのは、母のワンピースを着て家事をしている父（板尾創路）の姿でした…
それにしても、優しい視線で描かれた物語ですね。
小さな島という独特の空気感があるからでしょうか。
一番は父・青治が〝お母さんになる″と宣言して亡き母の服を着始めても、
島のみんながそれを自然に受け止めていることです。
（父の仕事が高校の校長先生だったのにはかなりびっくりでしたけど(^^ゞ)
この大らかさは島民の誰もが彼の本質をちゃんと理解しているからかも知れませんね。
でも、娘の橙花が父の姿を一目見た瞬間から反発するのもわかります。
2年前に母を亡くし、父まで父として存在しなくなったら…と思ったら、
私でもすぐには納得できないなあと思ってしまいます。
でも、親子の愛が無くなっている訳では無いのですよね。
橙花がそこを理解した時、私もなるほどと本当にほっとしました。
また、父が目指しているのは〝一家のお母さん″で、自分がお母さんとして新しい家族を作りたい
という気持ちは、何となくわかる気もしました。
かなり不思議な家族の物語ですけど、緩やかな雰囲気が映画全体を包み込んでいて
観ているうちにほのぼのした気持ちになりました。
観終わった時、メインビジュアルにもなっている集合写真の笑顔がさらに素敵に見えた1本です。
監督：ふくだももこ 出演：松本穂香 笠松将 モトーラ世理奈 三河悠冴 栁俊太郎 浜野謙太 板尾創路
2019年 日本
（20190731）
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公式サイトはこちらへ https://oishii-movie.jp/
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試写会のレポートはこちらへ https://www.tst-movie.jp/ev01/ev105-190822.html追伸
この映画はトーキョー女子映画部の試写会で観ました。公開は9月20日公開の予定です。
追伸2
上映の前にふくだももこ監督と松本穂香さんの舞台挨拶がありました。
二人ともとても仲が良くて、お話もとても楽しかったです～
本人たちは自分たちのことを親戚の従妹のようだと言ってしました(^^ゞ