アパートの半地下の部屋に住むキム一家は両親と二人の子供の4人家族。
父は色々な仕事に手を出しては失敗の繰り返しで生計は苦しい上に、現在は一家全員が無職中。
父キム・ギテク(ソン・ガンホ)、母キム・チュンスク(チャン・ヘジン)、兄キム・ギウ(チェ・ウシク)、妹キム・ギジョン(パク・ソダム)が日々の生活を内職で食い繋いでいました。
そんなある日のこと。キム・ギウの学生時代の友人ミニョク(パク・ソジュン)が訪ねてきました。
海外留学間近の彼は、受け持ちの家庭教師の代理をキム・ギウへお願いしに来たのです。
担当しているのはIT会社社長パク・ドンイク(イ・ソンギュン)の令嬢で、一家にはありがたい話です。
実際には大学生ではないキム・ギウでしたけど、受験勉強慣れしているので教えられると言われ、
給料の良さにも惹かれて代理を引き受けることにしました。
キム・ギウが偽の大学在籍の書類を持って社長宅を訪ねたところ、前任者からの紹介ということで
社長夫人(チョ・ヨジョン)が面接や初日の授業の見学をしただけで、
すんなり家庭教師の職を得ることができました。
帰り際に、幼い息子の美術教師も探しているという話を耳にした彼は
カナダ留学から帰って来たという優秀な遠縁の女性の話を夫人にし始めます。
でもその時、彼の頭の中にあったのは彼の妹キム・ギジョンでした。
それにしても…
予告編では何となく面白そうだなと思ったのですけど、正直に言うと私には楽しめない作品でした(-_-)
どちらかというと人間の嫌な内面がにじみ出てくるような物語で、見応えは十分なのですけど…
(よく考えたら、カンヌですものね^^;)
格差社会が起こす悲劇を描いています。
ブルジョア階級の人も無職の人も誰もが無自覚なまま微妙に歪んでいます。
半地下家族の父は基本的には悪い人ではありません。
でも、どこかいい加減で、自分の欠点と対峙できない人のような気がします。
失敗すると諦めて次に手を出すタイプでしょうか。借金を重ね、結果的に家族を不幸にしています。
一家の不幸のもとは現代社会だけではない気がしました。
会社社長や妻も基本的には悪い人ではありません。
でも、無防備に正直な反面、無自覚に人を傷つけるところがあります。
同じ階級の人々に囲まれていると違和感が無くても、運転手の父の視点で観ると嫌な人物になります。
特に洪水になるほどの大雨に対する反応には、あーあ…と思いました。
興味深い物語でしたけど、とても不気味で人間が怖くなる作品でした。
劇場を出る時、前を歩いていたお母さんと中学生くらいの娘さんが「怖かったね…」と話していました。
やっぱり、あんなに軽い感じの予告編にしちゃダメだよと思った1本です。
監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ チャン・ヘジン チェ・ウシク パク・ソダム イ・ソンギュン チョ・ヨジョン チョン・ジソ チョン・ヒョンジュン イ・ジョンウン パク・ソジュン
2019年 韓国 原題:PARASITE
(20200111)
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公式サイトはこちらへ http://www.parasite-mv.jp/