予想以上にハードで、考えさせられる作品でした。

1990年代、アメリカでは大統領が不倫問題で騒ぎになっていた頃、
ギニアとリベリアの間にあるアフリカ西海岸の国シエラレオネ共和国では
政府軍と反政府軍RUFの間で内戦が勃発していた。
RUFは豊富な武器により次々と制圧の範囲を広げ、市民の命を無差別に奪っていた。
RUFはダイヤモンドの採掘場を押さえており
この“紛争ダイヤモンド”が内戦拡大に一役買っていたのだ。
その採掘場で、鳥の卵ほどの大きさを持つ美しいピンクダイヤモンドが見つかった。
RUFに攫われて奴隷のように働かされていたソロモンは、その貴重な石を密かに隠す。
しかし、ソロモンの行為を見ていた目撃者により、その石の噂は広がっていった。
噂を聞きつけたダニー(レオナルド・ディカプリオ)も
自分の自由と命を懸けて、その石を追い求め始めた…

これは戦争映画でしょう!?と思うほどに、戦闘シーンが激しい作品でした~
優しい父子の会話から始まったと思ったら、すぐに少年兵たちと銃弾の嵐が…
市民を無差別に撃ち殺すシーンの多さには本当にびっくりでした。
きっと大げさではなくこういう悲惨な現状だったのでしょう。
まるで狂ったような世界をよくぞ丹念に描いたなと思いました。

何のために闘っているかも分からずに、罪無き命があまりにも簡単に奪われていく内戦。
家族から連れ去られ、洗脳され、薬漬けにされて、引き金を引く道具となっていく少年兵。
ダイヤモンドを得るために武器を売り、武器を売るために内戦を起こすという図式。
「白人がダイヤモンドを欲しがるのは分かる。
でも、そのために何故、黒人同士が殺しあわなければならないのか」という台詞が
全てを物語っているようでした。

また、ダニーの背景が見えてくるにつれて、彼の背負っているものの重さを感じました。
この人がどんなにこの赤い大地から逃れたいと願っていたかと思うと哀しみがあふれました。

それにしても、レオナルド・ディカプリオは主人公を見事に演じていました。
これまで、どんな作品を観ても、つい“レオさまが演じている”と思ってしまいましたけど、
この作品では“ダニー・アーチャー”以外の人には感じませんでした。

またしても、アフリカを深く考えさせられる作品に出会えたなあと思った1本です。


(070319)