『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』のペドロ・アルモドバル監督の最新作です。
サスペンスやちょっとコミカルな部分もありつつも、やっぱり心にじんわりとくる作品でした。

故郷に来たライムンダ(ペネロペ・クルス)と姉のソーレ、ライムンダの娘パウラの3人は、
一人暮らしをしている年老いた伯母を訪ねた。
ライムンダはすっかりボケてしまっている伯母の様子を心配し、
次は一緒に連れて行くからと言い残して今日のところは街へと帰った。
本当はすぐにでも連れて行きたかったのだが、夫がいるので無理だったのだ。
家に着いた彼女が、仕事へ行かずに飲んだくれている夫に小言を言うと、
なんと夫は仕事をクビになったと答える。
そんな夫の代わりに朝から長時間で働き始めたライムンダ。
しかしある日、疲れて帰宅した彼女を待っていたのは、ショックな事件だった…

死んだお母さんが娘たちの元へ甦ってくるらしいから、ちょっとコミカルな話かと思っていたら
予告編から予想したものとは全く違った展開でした(^^ゞ

この映画の女性たちは、みんなどこか孤独で辛い体験をしています。
でも、困難に立ち向かって頑張って生きていこうとしています。
そんな女性たちの逞しさや大らかさが何とも言えず良かったです。

機転で困難を乗り越えていくライムンダですけど、彼女には大きな秘密があります。
彼女は何故、母と疎遠になってしまったのか。何故、今の夫と結婚したのか。
その理由が分かった時、彼女がどれほどの辛さを乗り越えてきたかを実感しました。
そして、母はなぜ娘たちの元へと戻ってきたのかを理解した時に
どんなに疎遠になっていても心が通じ合える、母と娘の強い絆を感じました。

それにしても、ライムンダを演じているペネロペ・クルスは
エキセントリックで生き生きしている姿が役にぴったりで、とても魅力的でした!
彼女にはやっぱりスペインが似合いますね~

明らかになる事実にドキドキしながらも、観終わった後は心が温まった感じがした1本です。

監督:ペドロ・アルモドバル 出演:ペネロペ・クルス カルメン・マウラ ロラ・ドゥエニャス ブランカ・ポルティージョ ヨアンナ・コボ チュス・ランプレアベ アントニオ・デ・ラ・トレ
2006年製作 スペイン 原題:VOLVER
(070613)