雫下脩介氏の同名小説を映像化した作品です。
観終わった瞬間、きれいな作品だったな~と思いました(^^ゞ

何かと話題になった作品ですね。
どうしようかなと思いつつ、公開終了ギリギリになってしまいました(^^ゞ
行定監督の前作『遠い空に消えた』は、どうもピンと来なかったところもあったのですけど
今回の作品は主人公が女性だけに、かなり感情移入しながら観ていました。

物語はアパートに引越してきた女子大生・香恵(沢尻エリカ)が
前の住人が置いていったと思われる“ノートブック”を見つけたところから始まります。
初めは香恵を中心にストーリーが展開していますが
実は、この作品の本当の中心人物は竹内結子さん演じる伊吹という女性だということがわかってきます。

伊吹さんはアパートに残されていた“ノートブック”に日記を書いていた小学校の先生です。
彼女は小学校の先生になって初めて担任を持ち、一年間を子供たちと共に過ごして
悩みながらも少しずつ成長していきます。
その子供たちとの時間を通して彼女が何を感じ、何を考えて行動したかを
読み手である香恵と共に、観ている者も知っていくことになります。

伊吹先生は本当に素敵な先生です。
生徒たちの心を育てようと一生懸命になっています。
子供たちを“太陽の子”と呼び、子供たちの良い部分を見つけては伸ばそうとしていきます。
(『太陽の子』いいですよね~。私も随分昔に夢中になって読みました。)
そして“ノートブック”を読んでいる香恵も伊吹さんの心に振れて
彼女のようになりたいと思いながら少しずつ心を成長させていくのです。

それにしても竹内結子さんは素敵な役が似合いますね~
『サイドカーに犬』も良かったですけど、今回も上手いです。
実際、現実にはいないくらいの超理想的な先生なのに、
彼女が演じているととても可愛くて納得させられてしまうなあと思いました(^^ゞ

仕草や小物、そして少しだけ丁寧にゆっくりと流れる雰囲気がこの物語にはピッタリだなと思った1本です。

監督:行定勲 出演:沢尻エリカ 伊勢谷友介 竹内結子
2007年製作 日本
(071031)